第106話 書籍化の件を角川の担当の方に相談したら『俺はまだ本気出してないだけ』の大黒シズオの気分になった
この連載も10万字近くなったし、そこそこ読者もついているので書籍化いっちゃうかも、と思って角川の担当の人にメールしました。
角川にはふたり担当者がいて、ひとりは主に新書を担当してくださっている方でベテランの腕利きです。過去にいくつもヒットを出しています。おかげさまで一昨年上梓した共著の『犯罪「事前」捜査』は重版になりました。昨年は『フェイクニュース 新しい戦略的戦争兵器』を一緒に作って重版かかるらないかなあと思っています。
もうひとりは文芸関係の担当の方で全く正体のわからない人で会う度に「この人、ほんとうに本を出す気があるんだろうか?」と思ってしまうんですが、おもしろいし刺激になるのでずるずると打合せを重ねていました。でも昨年暮れに突如異動になって今年から新しい担当の方がつきました。この方は昨年の新入社員といこともあって非常に気配りをする、きちんとした人です。ただ、あまりに気配り上手でこちらの提案などを基本的に全て肯定してくださるんですね。でも結局なにも進まない。
青野春秋さんの描いたマンガ『俺はまだ本気出してないだけ』に登場する大黒シズオは40歳過ぎてマンガを志し、仕事も辞めたかなり痛い人物です。私も身につまされます。すごく痛いです。大黒シズオを担当する編集者村上政樹は、毎回シズオの原稿を読むとほめて、おだてます。そして最後に「がんばってくださいね」とか言うのです。ボツなわけです。あまりていねいに対応されつつ、物事が進まないとそのマンガの光景が頭をよぎります。いたたたたたたたた……痛い。
書籍化のことも、いけるかもしれません、と言いつつ、社内で検討しますので少々お待ちくださいという感じなので、自分が大黒シズオになった気分になります。
じっと待っていてもよいのですが、待っていてもなにもならないので、新書担当の人に相談してみるか(速攻で却下されそう。きっぱり言ってくれるいい人なんです)、他社に持ち込むか、どっか別サイトに引っ越すかもしれません。
この連載を読んでいて、実はうちのサイトにこういうのほしいと思ってたんだ、という方や専門学校のテキストに使いたいという方がいたらお知らせください。
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