第84話 君たちの未来の話をしよう3 その現状認識正しいですか? 機能的識字能力が低いと危険
正しい現状認識を持つのは結構大変です。自分が第三者から見てどうなっているのか、をちゃんとわかってる人の方が少ないでしょう。その場合、往々にして他の人の言葉もちゃんと理解できていません。
そもそも世界的に機能的識字率が低くなっています。おそらく日本はその中でもひどい方だと思います。
「教科書を理解できない人」
「ツイッターはできても文章の意味は理解していない人たち」
”ツイッター上でふつうに発言し、受け答えもしている。
しかし、そのやりとりをよく見ると相手の言っていることを明らかに理解していないように見えることがある。そんな経験がある人も多いだろう。その齟齬は機能的識字能力が低いことに起因している可能性がある。” 下記記事よりの抜粋。
参考記事 実は“識字率“が低下している? フェイクニュースを見抜けない日本人
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181130-00010000-php_s-bus_all
こういう人が増加しつつあります。ウソだと思う人は、『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(新井紀子さん)をオススメします。世の中の多くの人にその可能性があるのですから、自分だけ違うと考えるのはすでにちょっとおかしいです。自分もそうかもしれないと考えて、機能的識字能力を試す問題のいくつかに挑戦してみましょう。
”日本の識字能力は世界でもトップレベルで100%に近いと信じている人もいるが、実は我が国は識字能力の調査を長い間行っておらず、義務教育修了をもって識字能力ありと判断しているだけだ。” 記事からの抜粋。
なんでこんなことを最初に書いたかというと、機能的識字能力が低いと言われた意味、書かれている意味を正しく理解できないからです。その状態で現状認識するのは困難です。
機能的識字能力が人並みにあることは確認できましたでしょうか? ない人は機能的識字能力を高めることを優先しましょう。
次に、大前提として世界中で社会環境が悪化しています。中でも日本はかなり急速に悪くなっています。失われた30年とよく言いますが、世界のほとんどの国が経済成長を遂げていた30年の間、日本は停滞していました。2017年のGDP成長率は世界で147位、下から数得た方が早い順位で、アジアに限定すると後ろから3位です。今はまだ世界3位のGDPを誇っていますが、いつ転げ落ちてもおかしくありません。
なぜ、こんなことを言い出したかというと、みなさんのこれからを考える前提として「これから社会環境はどんどん悪くなる」を考えなければいけないからです。このままの状態は続きません。もっと悪くなります。その前提で物事を考えましょう。あるいは果敢に社会をよくする努力をするのもよいと思いますが、それは小説家の仕事ではなさそうです(その助けにはなるが決め手ではない)。
なんとなくお気づきになったと思いますが、世界の状況が悪化し、日本はその中でも悪い方……ということはふつうに生活するのも大変な時代になっているということです。その中でさらに厳しい仕事=小説家になろうというのがどういうことかを確認しましょう。
少なくとも10年以上は悪化は止まらないでしょうから(もしかすると永遠に)、デビューするタイミングが遅れれば遅れるほどあなたの状況は悪化します。デビューすると当然入ってくる業界内部の情報や構築できる人脈も手に入るのが遅れます。
業界が悪化する一方で、新しい可能性も生まれてきます。いち早くそれを見つけて賭ける手もあります。ただし、そのためには正確に業界および市場の動向を把握するための情報が必要です。計画的に情報を収集し、迅速に動かなければなりません。
こうした一連の活動の前に、自分の強み、弱み、やりたいことも整理しておきましょう。
・自分の強みと自分の弱み
・自分にあるもの(若さや健康も入ります)
・やりたいこと、なりたいもの
・やりたいこと、なりたいものになるために必要なこと、もの
・障害となっていること
このへんの頭の整理方法はさまざまな方法論があり、ネットや本で調べることもできます。マインドマップなどはよく使われているようです。試しにやってみて、時々、再度やって頭を再整理するとよいと思います。
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