第74話 1年9カ月の経験でわかったこと。速筆は重要、予選(1次、2次)は運、ジャンルの違いはない

1年9カ月の経験でわかったことをご紹介します。


1.速筆は万難を救う

やはり速筆は重要です。たくさん投稿できますし、デビューした後も柔軟に出版社の要求に応えられます。

速度は訓練で速くなります。しかし文章のセンスは訓練では上達しない可能性が高い。その意味でも成果の出やすい努力をすべきでしょう。


2.予選(1次、2次)は運

「大賞を取るような作品を見逃すことがない」とおっしゃる下読みの方もいます。その人はそうかもしれません。しかし、全ての人がそうとは限りません。前にご紹介したように比較的名の知られた作品の盗作だって見逃すのです。

私の場合は前回の応募作と比較されました。前回と同じ下読みさんでなければわかるはずがないことで落ちるなんて信じられません。自分の作品を評価してくれる人に当たるかどうかは運です。


3.想像以上にジャンルの違いはない

投稿履歴をご覧になってわかるように、さまざまなジャンルに送り、どのジャンルでも一定の成果を出しています。思った以上にジャンルによる違いはないと思います。純文学とSFに関しては最近のものをほとんど読んでいないにもかかわらず、最終候補になっています。

未知の分野だからと臆することなく挑戦してよいと思います。せめて数年間の受賞作くらいは目を通しておいた方がよいとは思いますが。


4.使い回しは嫌われることが多いが、やらないよりはマシ

何度も同じ賞に応募するなら覚えをめでたくするためにやらない方がよいですが、そうでないなら送らないよりは送った方がいいと思います。嫌う人もいますが、そうでない人もいます。私のように、そのために最終的に落選しても別の作品を出版してもらえる可能性もあります。


5.選考は公明正大ではないが、そこにはこだわらない

すでに何度か書きましたように、選考は公明正大ではありません。担当編集者が’ついて選考途中でも改稿できる人はいます。シードもあります。レーベルに合わなければどれほど完成度の高い作品でも落ちます。そしてレーベルの方針は編集長の変更や事業部や会社の方針で変わり、外部の応募者はそれを把握できません。

こうしたことを全て飲み込んだ上で応募を続けましょう。いちいち驚いたり、落ち込んだり、あるいはネットで文句を垂れ流したりしている時間が惜しいです。作品を書きましょう。


6.くじけない。あきらめない

不撓不屈であることはとても大事です。大前提と言えるでしょう。小説家になりたい人の人数と、実際にデビューして続けられる人の人数を考えれば宝くじほどではないですが、確率が低いことがわかります。

確率が低いということは運がよくないと無理ということで、そこをなんとかするのは試行回数の数です。受賞するまで挑戦し続けるしかないのです。

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