第73話 カクヨム・マラソン 短編 続き

しばらく放置していたんですが、思いついたことを書きました。

もうちょっとしたらまとめて完成させます。これで小説二鳴るのかなあ?


「よお」

「……」

「ちょっといい?」

「いいけど、何の用?」

「お前、彼氏とかいるの?」

「あたしがどういう人間かわかってないでしょ?」

「同じクラスじゃん。ある程度は知ってるよ」

「知らないよ。たとえば、あたしは火柱が半年前に妹のパンツでオナニーしたのを知ってる」

「なっ!」

「あと、二週間くらいエロサイトで抜いてない」

「それと童貞」

「お前、なに言ってるんだよ」

「あんたの妹がLINEグループで話してた」

「お前、妹と知り合いだったのか?」

「違うよ。あんたと妹のスマホをハッキングした」

「マジか」

「もしかして、最近エロサイトをおかすにしてないのは、あたしで抜いてるせい?」

「ごめん」

「すぐに認めるなよ。セックスならやらせてくれる女が他にいる。紹介するよ」

「ありがとう! って違う! オレはお前とつきあいたいの」

「今の話を聞いてつきあう気なくならないの?」

「全然、でもお前がその気ないならしつこくはしない」

「顔のない男」

「……なんでそのあだ名知ってるんだよ。ああそうか、ハッキングしたんだな」

 オレは特徴がない。どこにでもいるような顔をしているせいで顔を覚えてもらえない。顔を思い出せないヤツということで「顔のない男」と呼ばれるようになった。

「うん。そのあだ名を知ってから気になってた。目撃者に顔を覚えられないってすごくない?」

「そりゃ、どうも。ってか犯罪者じゃねーし。お前、オレをバカにしてる?」

「いちおう説明しておくけど、私は今とてもうれしい。私は表情に乏しいからわからないと思うけど、うれしいよ」

「ほんとに? じゃあつきあってくれるの?」

「父親とセックスしてても問題ない?」

「え?」

「ピル飲んでるから毎回中出し。週に一回くらいやってる」

「えええ?」

「でも、そんなに大きくないからゆるゆるにはなっていないはず」

「ちょ、待って! なに言ってんの?」

「あと、あたしはセックスそんなに好きじゃないから、たまに吐くけどいい? 父親とセックスしたくない時に、やだって言ったり。抵抗するとよけい悦ぶから、吐くようにしてたら悪い癖がついたみたい。吐くとセックス止めるんだよ」

「セックスの話なんかしてないだろ」

「付き合ったらセックスするでしょ? あたしは別にこれからでもいいんだけど」

「早すぎだ」

「じゃあ、付き合うってなにをしたいか教えて」

「もういい。オレのこと嫌いなんだろ?」

「さっき言ったじゃん。うれしいって。でもなにをどうしたらいいかわからないって言ってんの」

「じゃ、じゃあさ。デートとかするんじゃないのかな」

「ああ、そういうことか。酒飲むの? それともカラオケ? どっちにしても酒飲むのか」

「飲まねーよ。一緒に映画行ったりするんだ」

「革命とかしないの? 楽しいよ」

「革命? テロとかするわけ?」

「するよ」

 ああそうなんだ。テロやるんだ、とその時はあまり深く考えなかったけど、テロってヤバい。日本にいると感覚がも麻痺するけど、オレたちくらいの年齢の子供が銃持って戦争したり、テロで自爆したりしてもおかしくないのが今の世界だ。


「あのさ。父親とセックスするのは止めた方がいいと思う」

「……それって嫉妬?」

「はあ?」

「言ったじゃん。男とつきあったことないって。だから嫉妬されるのは初めて。新鮮でいい」

「いや、そうじゃなくて。父親としたらダメだろ」

「なんで?」

「親子だろ」

「そうだけど、妹とセックスしたがってる男なら死ぬほどいるじゃん」

「エロマンガの見過ぎた」

「輔は母親としないの?」

「しねーよ」

「あたしのママとする?」

「は?」

「あたしのママ、元ヤンだからまだ24歳で若いよ。ビールに眠剤混ぜとくから睡眠姦するとこ見せて」

「阿鼻ルと話していると、おかしくなってくる」


「じゃあ、今日はベティ・ブルー観よう。恋人ができたら一緒に観ようと思ったんだ。DVD持ってるからさ」

「どこで観る? オレんとこ来る?」


「なあ、これなに?」

「ラムネ」

「違うだろ。明らかに薬じゃん。ヤバい薬だろ」

「ヤバくないよ。医者行くと処方されるちゃんとした薬だよ。まあ、頭の薬だけどね」

「向精神薬かよ。まあ、いいや。試して見よう」



「輔は明日なにするの?」

「別に……いつもと同じだ」

「つまらなくない? あたしは昨日、女子高生拉致ってるバンに火をつけた。大騒ぎになっておもしろかったよ」

「そのうち捕まるぞ」

「ああ、そうだね。捕まるくらいなら自爆するね。あたしが死んだら生放送してよ。これまでのテロの童画あげるから、それも流してさ。勇敢なる革命の同志よ、安らかに眠れ、とか言って」

「はいはい」

「輔は明日なにするの?」

「何度も訊くなよ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る