第101話 近づきたいのに

Reila


どうしよう、メールしてみようかな


何で避けるのとは聞けないし


さらっと聞いてみようかな


重たい女って思われても嫌だし





Ritoくん、こんばんは


今何していますか??


今日なんとなく避けられてたような気がして


私の気のせいだったらいいんだけど


少し気になってメールしてみました





これはさらっとなのか


思いっきり聞いてしまった


でも気になってるし





Rito


うわ、Reilaちゃんからメール来た


やっぱり避けたのバレてる


そりゃそうか、あからさまだったもんな


まさかReilaちゃんに


会うの楽しみって言われて


意識し過ぎちゃって緊張してましたなんて


かっこ悪くて言えないし


さらっと返事するか、当たり障りない感じで





今、音楽を聴いてたよ


避けたつもりはなかったんだけど


もしそう感じさせたのであれば


ごめんなさい


あと少し目が悪くて


もしかしたらよく見えてなかったのかも


また明日!





これのどこがさらっとなんだ


嘘を並べただけじゃないか


視力はめちゃくちゃいいし


避けただろうが俺は今日、Reilaちゃんを


明日は普通にしよう





Reila


良かった、やっぱり気のせいだったみたい


そっか、目が悪いんだね


それなら仕方ない


私の気にしすぎだね


また明日って言ってるし


うん、明日明日





Seia


うわっ、雨宮さんが前から来る


とりあえず挨拶するか


「雨宮さん、おはよう」


「何?」





うわっ、いつものように


いや、いつも以上に睨まれた





「いや、何でもない


今日はご機嫌はいかがかなと思って」


「ご機嫌?」


「あんまり良くなさそうだね」





今日はいつにも増してご機嫌斜めな感じだ


今日はもうこの辺にしておこう





Miku


一体何なの?


昨日の午後は無視で、今朝は話しかけてきて


何かルールでもあるの?


それともそうやって


私の気を引こうとしてるの?


そういう駆け引きする人、大っ嫌い





Rito


Fumiya「今日前の方の席座る?」


Rito「おう」


「お前、この前と違って積極的だな」


「そうか?」


「どうする?何列目にする?


どうせなら2列目の真ん中に座る?」


「って、それ真後ろの席じゃねぇかよ」


「それがどうしたんだよ


お前はReilaちゃんと俺はShioriちゃんと


メールする仲なんだから問題ないだろうが」


「まぁな」





「これが話したことない女子の


後ろの席陣取って男2人座ってたら


ストーカー扱いされても仕方ないけど


俺られっきとした友達だから何の問題もない


まだ友達ってとこが残念なポイントだけどな


な、そうだろ?」


「まぁ、そうだな」


「よし、決まり


今日は2列目!」





よりによって真後ろかよ


今日は普通にしないと


また避けてると思われる


と思ったらReilaちゃん、登場


今日も可愛い


とりあえず、普通に普通に





Shiori「あっ、おはよう


今日は私たちの後ろなんだね」


Fumiya「Shioriちゃん、おはよう


今日は後ろに座ってみた


ストーカーじゃないよ」


Shiori「あはは


Fumiyaくん相変わらず面白い」


Fumiya「いやいや」


Reila「Ritoくん、おはよう」


Rito「お、おはよう」





やばい、めちゃくちゃ緊張する





Seia


キーンコーンカーンコーン


「次回テストがあるから


各自やっておくように」


Takuto「Seia、次何の授業?」


Seia「次は、空き」


「いいな、俺今からキリ教


この学校キリスト教だから


興味なくても受けなきゃいけないんだもんな


苦痛でしかない」


「確かに


俺キリ教、金曜日とってる」


「金曜日の教授の方がいいって噂だよ


テスト楽だし、出席甘いし」


「確かにそうかも」





「そのキリ教の授業をいっつも最前列で


真面目に聞いてる子がいるんだよ


キリ教だぜ


何を毎回真剣に聞くことがあるんだって


感じだろ」


「そうなんだ」


「そうそう、お前と一緒の法学部の子」


「へぇ」


「あっ、あの子」


「どの子?」





って、雨宮さんかよ


どうする挨拶する?いやTakutoいるし


また気づかないふりするか


うわっ、思いっきり睨まれた


朝も機嫌悪かったもんなぁ


ここは普通に流そう





Takuto「彼女今お前のこと


睨まなかった?」


Seia「そうか?」


「間違いなく睨んでた


もしかして知り合い?」


「知り合いじゃないよ」





知り合いではない


ただ一方的に俺が話しかけて


嫌がられてるだけだから





Miku


てか、何なの?


午後は挨拶すらしないという謎のルール


こんなにイライラする人ははじめて


明日からもう一切無視することに決めた


あー、イライラする





Rito


Fumiya「Shioriちゃん、次授業何?」


Shiori「私とReila、空きなの」


「まじ!?


俺らと一緒じゃん


良かったら4人でランチしない?」





おい、Fumiya


何勝手に誘ってくれちゃってるんだよ





Shiori「いいね、Reilaも行こう」


Reila「えっ、うん」


Rito「悪い、俺


教授に用事あるからちょっと行ってくる」


Fumiya「そんなん後でいいじゃねぇかよ」


「いや、なかなかつかまんないから


とりあえず行ってくる」


「おい、Rito!


えっと良かったら


Reilaちゃんも一緒にどう?


って、Shioriちゃんの友達だから


当たり前だよな


邪魔者は俺だよな」


Shiori「邪魔じゃないよ、3人で食べよ」





Ritoくん、やっぱり私のこと避けてる?


何だろう


昨日のメールでは普通だったのになぁ


私なんかやっぱりしちゃったのかなぁ


よく分からない


メールで聞いてもまた気のせいって


言われそうな予感がする





やばい、なぜか緊張する


さっきの言い訳


自然だったかな


やばいな、ほんとに避けてると思われる


いや、避けてはいるんだけど


目の前にするとどうも緊張する


メールだと大丈夫なんだけど


はぁ、俺のヘタレ





Seia


雨宮さん、今日めちゃくちゃ怒ってたなぁ


これで完全に嫌われたな


Mikaちゃんと似てるけど


雨宮さんはもっと心の奥に何か


よく分からないけど何かを


抱えてる感じがする


Mikaちゃんよりも強いバリアを感じる





過去に何かあったのかな


学校でもいつも一人だし


雨宮さんが誰かと親しげに話してる姿を


一度も見たことがない


いつも一番前の真ん中の席に座って真剣に


授業を聞いてるし


何か目的があるのかな


近づきたいんだけど


正直どう近づいたらいいか分からない


完全に行き詰まった


はぁ





Miku


バサッ


今日もあの訳の分からない奴が


朝話しかけてきて


午後は全く話しかけないどころか


無視をしてきた


私のことバカにしてるの?

 

何かの駆け引きのつもり?


もう決めた、明日から


どんなに話しかけられても


一切反応しないことにした


バサッ


今日の日記、終わり






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