第82話 3次元 Dark World

ガチャンガチャン


ウィーン


ピコンピコン


ピピピピピ


ピピピピピ


Complete





「ついに出来た」


「ついに秘密兵器が完成したんですね」


「あぁ」


「我々は勝ったも同然ということですね」


「あくまでも最終手段だ」


「なるほど」





「転生者の様子はどうだ?」


「それが不思議なことが」


「不思議だと?」


「突然転生者が姿を消したんです」


「どういうことだ?」


「正確に言いますと


過去も現在も未来もこの瞬間に


存在していますが


私が日々追っていたタイムライン上から


消えたんです」


「タイムラインから消えた?」


「おそらく何か行動を起こしたのでは


ないかと」





「早く追え、どこに行った?


何をしようとしてるんだ


向こうの情報はすべて


把握できてるんだよな?」


「おそらく」


「我々に情報が漏れてることに気づき


何か対策をしたのか?」


「分かりませんが


その可能性もなきにしもあらず」


「とにかくどこに行ったか追え」





「分かりました、それから一つ」


「普通転生者のRuiですが


どうやら母親の病状が良くないみたいで」


「そうだったのか


Ruiには我々は借りがあるからな


で、どんな状況だ?」


「地球でいう


末期癌というものではないかと」


「末期癌」


「そうか」


「このままでは.....」





「そうか


彼のお陰で今日の我々がいる」


「あぁ、そうでしたよね


最近物忘れが.....」


「それは我々の居場所が


減ってきてるからだ


思考も落ちてきている


体が重たいのも呼吸がしづらいのも


すべてそのせいだ」


「あぁそうでした、そうでした


記憶が蘇ってきました


彼は我々の恩人


我々が今この3次元に


留まることができているのは、Ruiのお陰」





「そうだ、それだけは忘れるな


今蘇る、蘇ると言ったか?


そうかそれがあったか」


「どういう意味ですか?」


「まぁいい


いずれRuiにコンタクトを取ろう」


「とうとうRuiとコンタクトを


とるんですね」


「今はまだ時期ではない


彼は、彼だけは特別だ」





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