第71話 in the case of Miku Seia

ピコン


先輩「Mikuちゃん、受かったよ!」

 

えっ、受かったんだ!


Miku「先輩、星南受かったんですね!


おめでとうございます」


「Mikuちゃんのお守りのお陰」


そのフォローまで


さすがです


「いえいえ、私は何も


でも本当に良かったです」


「そうだ、今週の土曜日水族館行かない?」


「はい」





先輩と二回目の水族館


4月から先輩は、大学生活


大学に行ったらきっと私のことなんて


どうでもよくなっちゃうんだろうな


はぁ


4月から高校生


先輩は大学生


この年の差が恨めしい


3年間すっ飛ばして一気に大学生に


ならないかなぁ





先輩「Mikuちゃん久しぶり


元気だった?」


Miku「はい、先輩大学合格


おめでとうございます」


「ありがとう」


「じゃあこの前のチケットで


はい、これMikuちゃんの」


「ありがとうございます」


また先輩と出かける日が来るとは





Seia


学校で付き合ってます宣言を堂々と


田中さんがしたこともあり


俺と田中さんが付き合ってることが


またたく間に学校中に広まった


廊下を歩いていても視線を感じる


「ヒュー」


「あの二人付き合ってるんだって」


こっちは全く知らなくても


あっちは俺たちのことを知っている


正直恥ずかしいし


本来目立つことがあまり好きではない


当の田中さんは気にしてる素振りすら


見せない


さすがだよ、田中さん





Seia「ねぇ、田中さん気にならない?」


田中さん「何が?」


「何がって、俺と田中さん


ジロジロ見られてるよ」


「それが?Seiaは気になるの?」


「いや、気になるというか


俺昔から目立つのがどうも」


「ねー、それより私の名前知ってる?」


話を逸らされた


「知ってるよ、Mikaちゃんだよね」


「私の名前知らないのかと思ってた」


「そんなことないよ」


「じゃあ、今から名前で呼んでね」


えっ、突然言われても


ずっと田中さんできちゃったから





Miku


先輩「今日は何見たい?」


Miku「先輩何か見たいのないんですか?」


「俺は大丈夫だから


Mikuちゃんが見たいものを見よう」


「そうですねー、じゃあ今日は


まんべんなく見ましょう


あっでもショーはいくつか見たいです」


「分かった


ショーの時間に合わせて行動しよう


今日も夜のイルミネーション見て帰る?」


「はい」


「良かった」





「先輩結局学部はどっちにしたんですか?」


「結局国際にした


在学中に海外留学もしたいなと思って」


海外


そっか


この地球は日本だけじゃないんだよね


先輩が遠い人に感じるよ


私は海外には行けない


なぜなら私は、特別転生者だから


日本にいなければいけない


missionをする上で日本は


とても重要な国となるから


海外に行くことはまずない


そういう環境にはならないように


設定されているから





「Mikuちゃん、考え事?」


「あっ、いえ」


「試験の日も考え事してたみたいだし


何か悩みあるなら聞くよ」


「ありがとうございます、でも大丈夫です」


まさか特別転生者なんですとは言えない





Seia


Seia「えっ、突然名前でと言われても」


田中さん「何でよ」


「何でって、今までずっと


田中さんできたから」


「よくよく考えたら変でしょ


私が名前で呼んでてSeiaが私を


名字でしかもさん付けで呼ぶなんて


付き合ってる感じしないじゃない」





付き合ってる感じ


こんなに知られてしまった今


感じも何もない気がするんだけど


「分かった、努力する」


「努力って、何?」





Miku


先輩「もうこんな時間だ


イルミネーション見て帰ろうか」


Miku「はい、もう20時なんですね」


「うわ、相変わらず綺麗だな」


「ほんとに」


「先輩は将来の夢ってあるんですか?」


「夢かぁ


あんまり考えたことないけど


日本と海外の架け橋になるような


仕事をしたいかな」


「先輩らしいですね」


「そうかな?」


「その夢叶いますよ、絶対に」





「Mikuちゃんは?何か夢とかないの?」


考えたことなかった


「私ですか?今は特に」


「Mikuちゃんこれから高校生だもんね


考える時間いくらでもあるから」


「はい」


将来の夢かぁ


「そうだ、今日実は話があって」


「何ですか?」


「良かったら俺たち付き合わない?」


えっ、今何て





Seia


田中さん「努力って何?」


Seia「いや、だからいきなりは難しいから


徐々にね」


「徐々になんて言ってる場合じゃない」


「Mikaさん、いやMikaちゃんでいいかな」


「Mikaさんはやめて」


「分かった、Mikaちゃんで」


「ちょっとそこの公園寄ってかない?」


「うん」





「私日本に戻ってきてもうすぐ3年経つの」


「そうだね」


「はじめは何で帰ってきたんだろう


アメリカに帰りたい


校則校則ってルールだらけだし


周りの子とも分かり会えないし」


「うん」


「毎日がつまらなくて」


「うん」


「でもそんな時にSeiaくんが


話しかけてくれた」


Seiaくん





「何度も何度も


正直はじめはうっとおしくて」


そうだよね


「でも段々日本は日本でいいかもと


思いはじめてる自分がいて」


そうだったんだ


「今はね、日本が好き


この国にここにずっといたいって思ってる」


良かった


「良かった」


「でもね、いられないの」





えっ.....


「田中さ....Mikaちゃんどういう意味?」


「私高校生になったらまたアメリカに戻るの


今度はもう戻ってこない」


「えっ」





Miku


Miku「えっ、つ付き合うってその


世間一般的にいう付き合うですよね?」


「ははは、そうだよ」


「そ、そうですよね


ちょっとそこまで付き合ってとかじゃ


ないですよね」


「違うよ


Mikuちゃん相変わらず面白いね」


「えっ、私がですか?


いえ、私は全然面白くはありません」


「いや、俺からすると面白いよ」


面白い子を人は好きになるんだろうか





「先輩私のどこがいいんですか?」


「えー、どこだろう」


ほら先輩悩んでるよ


「うん


面白いところ、感性が独特なところ」


面白い子を好きになることもあるらしい


「面白い....感性が独特.....」


「俺からしたらいいことだよ


自分とは違う感性の子に惹かれる」


なるほど


そういうこともあるんだね


「で、返事は?」


「へっ


ちょっちょっと考えさせて下さい」





Seia


「えっ、Mika....ちゃん


アメリカにまた戻るの?」


「そう」


「えっ、嘘」


「ううん、ほんと」


「アメリカの高校決まってるの?」


「うん、冬休みアメリカに行って


転校の手続きしてたから」


そうだったんだ


「何で教えてくれなかったの?」


「言おう言おうと思ってたんだけど


言えなかったの」


「.....」





「アメリカと日本離れてるけど


一生会えないわけではないし」


俺からしたら国が違うってことは


一生に会えないことを意味する


俺はね、特別転生者なんだ


だから日本を離れることはできないんだ




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