第49話 Versus

Kail「闇側が入り込んでる者の名前は


2年の山口Shunだ」


Miia「山口Shun」


Kail「で、Miiaが入り込もうとしているのは


同じく2年の山口Hayato」


Miia「山口」


Kail「そう、彼らは2卵生の双子だ」


Miia「Ritoたちとは違って


全然似てないのね」


Kail「そうだな


一卵性は卵がもともと一つなのに対し


二卵性は字の通り二つだからな」





Kail「そもそもあの二人は何で


あのパソコンルームに通ってたんだろう」


Miia「それはなんとなく分かる

 

おそらく二人ともMikuちゃんに対して


好意を抱いていたんだと思う」


Kail「なるほど」


Miia「山口Shunくんは大人しい性格に対し


Hayatoくんは活発なタイプ」


Kail「で、闇側はMikuに好意がある


大人しいShunくんを器に選んだ


ということか」


Miia「そうみたいね」





カチャカチャ


3次元 Dark World


「司令センターが我々に気づいたようです」


「そのようだな」


「双子の兄である山口Hayatoの体に


入り込んだ模様です」


「そのようだ


HayatoもまたShun同様Mikuに気がある


まぁいい、直接対決だ」





ガタッ

(Mikuが立ち上がる)





Miku「ちょっとお話いいですか?」


Shun「えっ」

闇[ついに山口Shunが我々だと気づいたか]

 

Miku「ここでは話せないので廊下で」



Shun「えっ、あぁ」

闇[ついに決断したか、Miku]


Miku「いつもパソコンルームで

何をしているんですか?」


Shun「別にただ暇だから」

闇[そんなこと今さら聞かなくても

もう分かってるだろ]


Miku「いつも私がパソコンルームに行くと

必ずいるから.....です」

闇[怖がらなくても大丈夫だ

我々には君の力が必要]


Shun「他に何か質問はある?」

闇[そろそろ時間だ]


Miku「質問.....あなたは.....

こ、この世界の人ですか?」


Shun「違うって言ったら、どうする?」

闇[闇側とはっきり言ってほしいのか?]


Shun「これ以上はここでは話せない

あとはあっちの世界で話そうか

ご決断いただけましたか」

闇[タイムオーバーだ君はもうこっちの人間だ]





5次元銀河司令センター


Miia「Mikuが立ち上がったわ


直接確認に行くみたい」


Kail「Mikuを見失うな、だがここは学校だ


騒ぎにならないように決着つけるぞ」


Miia「えぇ」





バッ

(Mikuの腕をつかむ)


センター[Miku、そっちに行ったらダメだ]


Miku「あなたもグルなの?」


Hayato「俺は違う」

闇[邪魔しにきたか]

センター[Mikuの味方だ]


Shun「嫌がってるじゃないか手を離せよ」

闇[Mikuはこっちの物だ]





5次元銀河司令センター


Miia「目の色が変わったわ


間違いなく闇の人間ね」


Kail「あぁ、能力はこっちにもあるが


向こうにもあるからな


なんとしてもMikuを助けるぞ」


Miia「えぇ」





Hayato「逃げろ」

センター[ついてくるんだ]

闇[逃がすものか]


Miku「あ、あなたは誰?」


Hayato「俺?俺は2年の山口Hayato」


Miku「何でいつも

パソコンルームにいるの?」


Hayato「俺は君を守るために来た」

センター[俺は君の味方だよ]


Miku「えっ、どこから?」


Hayato「あぁいや

とりあえずこの部屋に入ろう」

センター[どこから来たかは答えられないんだ、任務遂行中だから、君もそして俺も]





Hayato「どうやってかわせばいいんだ?」

センター[学校にいる限りみつかってしまう]


Miku「あの人はどこの人?

この世界の人ではないよね?」


Hayato「あぁ、違う」

センター[そうだ、闇側の人間だ]


Miku「あなたもこの世界の人ではないの?」


Hayato「いや一部は違って一部はそうだ」

センター[一部は山口Hayato一部は俺だよ]


Miku「どういう意味?」


Hayato「ははは、意味分からないよね

大丈夫、敵ではないから

ダメだ、追ってくる

どこに逃げればいいんだ」





5次元銀河司令センター


Kail「学校にいる限りいや地球にいる限り


闇は必ず追ってくる」


Miia「じゃあ、どうすれば.....」


Kail「俺の能力を使おう


次元移動するしかない」


Miia「Kail


そんなことできるようになったの?」


Kail「訓練した


正確にいうと


まだ実際にはやったことはない


1次元上げるぐらいならできると思う」





Miia「Mikuを4次元に連れていくの?」


やってみましょう、時間がないわ


Kail、私に手を重ねて


あなたの能力を山口Hayatoに移行するわ」


Kail「あぁ、まずい、追ってくる


Miia、できたか?」


Miia「おそらく移行できてるはず」


Kail「時間がない、試してみるしかない」





3次元 Dark World


「逃げても無駄だ


この地球にいる限り


どこまでも追いかけてやる」


「我々を甘くみてもらっては困りますね」


「フッ、化学室にいるのか


Mikuを連れて帰るぞ」


「はい」





Hayato「行くよっ」

闇[さぁ、入るぞ]

センター[4次元に移動するよ]


ガラッ


シーン




3次元 Dark World


「二人はどこに行った?」


「おかしいですね」


「位置を確認しろ、どこに逃げた」


「今は.....


えっ、どこにもいません」


「学校を離れたのか?」


「学校どころか、地球にいません」


「どういうことだ」


「おそらく地球を出たのではないかと」


「一瞬でか?」


「そのようです」


「クソッ、どこに行ったんだ」





Hayato「到着」


5次元銀河司令センター


Miia「Kail、良かった、成功だわ」


Kail「そのようだ」


Miia「次元移動もできるようになったのね」


Kail「Miiaもすごい能力だな」


Miia「良かった、Mikuを助けられて」


Kail「あぁ


しばらくはMikuを4次元世界に


留まらせることにしよう」


Miia「そうね、しばらく地球は危険ね」


Kail「一週間後違和感なく


Mikuが戻れるように設定し直そう」


Miia「そうね、Lailにお願いをしてみる」





Miku「あなたはいなくなるの?」


Hayato「山口Hayatoは残るよ」

センター[彼は残るよ]


Miku「じゃあ、あなたの一部は?」


Hayato「一部はいなくなる」

センター[俺は役割を果たすから戻るよ]


Miku「あなたの名前は?」


Hayato「名前はないよ

君を守るために来たからいつも見守ってるよ」

センター[これで分かるかな]


Miku もしかして、Kail.....?

そうだよ、Kailだよ





アナウンスが流れる


B15 Control Room


ウィーン

(扉が開く)


Miia「たった今


Mikuを闇から保護しました」


Lail「ご苦労」


Miia「Mikuは一時的に4次元世界で


保護されています」


Lail「なるほど


4次元には上がって来れないからな」


Miia「はい


すぐに3次元に戻すのは危険なので


地球でいう一週間後にMikuを


戻してもいいでしょうか」


Lail「あぁ、そうしよう」


Miia「Mikuの設定を変更します」


Lail「許可する」


Miia「ありがとうございます」





Lail ついに接触してきたか


次は何を仕掛けてくるんだ


我々は手を引くつもりはない





闇どこにMikuを連れて行ったんだ


これで勝ったと思うなよ


どこまでも追いかけてやる


我々の世界に塗り替えるためなら


どんなことでもする


作戦変更だ






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る