第46話 5次元銀河司令センター

アナウンスが流れる


B7 Virtual Earth


ウィーン

(扉が開く音)





Haru「Rei、ここにいたのか」


Rei「えぇ」


Haru「トレーニングしてたのか?」


Rei「そうなの


ヒーリング能力を高めたくて」


Haru「調子はどうだ?」


Rei「そうね、当初より色々と


扱えるようになったと思うわ」


Haru「扱う?


俺にはよく分からない世界だな」





Rei「エネルギーや色のようなもの


それから高次元の存在の力を借りて


ヒーリングするの」


Haru「すごいな、高次元の存在か」


Rei「そう、例えばパワフルな力で


ヒーリングしたい時は赤いエネルギーと


パワフルな力を持つドラゴンの


エネルギーとを組み合わせたり」


Haru「なるほど」





Rei「そういえば、Ritoはどう?大変?」


Haru「あぁ、でも本人は落ち着いたかな」


Rei「本人は?」


Haru「中学に入って


Ritoはバスケ部に入ったから


毎日バスケ三昧で疲れてはいると思う」


Haru「良かったじゃない


Ritoようやく熱中できるものが


見つかったのね」




 

Haru「そうなんだが


今度は弟のFumiyaが反抗期で


家の中はゴタゴタしてる」


Rei「弟さん、優秀だったのに」


Haru「双子というのは難しいんだろうな


一つの卵が二つに別れて


同じ時間に


それぞれの人間として生まれて


それぞれの人生がはじまる」


Rei「そうね、ある意味


相手は自分、自分は相手みたいなものね」


Haru「ほんとにそう思うよ


RitoがFumiyaくんや母親に不満が


あったように


FumiyaくんもまたRitoや母親に不満が


あったんだと思う」





Haru「Seiaはどうだ?」


Rei「Seiaはまたまた


心配な子ができたみたいで


色々と気にかけている」


Haru「Seiaの性質なんだろうな


またSeiaがそうだから


自然と引き寄せるんだろう」





Rei「それはあるわね


Haruの最近は?


よくB5エリアにこもって


何かしてるわよね」


Haru「あぁ


まだ詳細は話せないんだけど


Lailにあることを頼まれて製作中だ」


Rei「そう


HaruはLailからとても信頼されてるから」


Haru「そうかな」


Rei「そうよ」





ウィーン

(扉が開く)


Rei「Kail」


Kail「あぁ、二人はここにいたのか」 


Rei「えぇ」


Kail「実はMikuがちょっと.....」


Rei「ちょっと?


あぁ、何かに巻き込まれたのね」


Kail「あぁ、分かる?」


Rei「詳しくはみえないけど、なんとなく」





Kail「最近学校のパソコンルームに出入り


してるみたいで


そこで誰かに誘惑されてるというか」


Haru「誘惑?」


Kail「その相手は不明だが


Mikuに協力しろと


その代わりにmissionの最終目的を


教えるからって」


Miia「えっ、それって」


Kail「あぁ、Miiaか」





Haru「おそらく相手は闇側だろう」


Miia「闇側.....」


Rei「私よく知らないんだけど


あちら側って世界として存在するの?


つまり意識体だけではなく


物体として存在しているの?」


Haru「あまり司令センターからは詳しくは


発表されていないけど


あそこはあそこで世界があるし


物体として存在しているはずだ」


Miia「じゃあ、Mikuはそこから


誘われてるってこと?」


Rei「何でMikuちゃんなのかしら」





Kail「おそらくMikuの頭脳が高いこと


それからmissionの最終目的に


すごくこだわっていたからだと思う


で、教える代わりに闇側に協力をしろ


ということだろう」


Miia「えっ、それはほっといたら


まずいんじゃない?」


Haru「そうだな


一応規則では特別転生者に


過度なサポートは規則違反だ


でも今回はそうも言ってられない


まずはKaizaとLailに相談だな」





アナウンスが流れる


B15 Control Room


ウィーン

(扉が開く)


Kaiza「どうした?」


Haru「はい、ご相談が」


Lail「何だ」


Kail「特別転生者Mikuなんですが」


Lail「Mikuがどうかしたのか」


Kail「はい


最近学校のパソコンルームによく

 

出入りをしているんですが


ある者からメールが来るようになり」





Kaiza「ある者?」


Haru「おそらく闇側ではないかと」


Lail「直接連絡を取ってきたのか」


Haru「いえ、直接というより


パソコンルームに出入りしている人間の


体を借りて入り込んでいるのではないかと


思われます」


Kaiza「入り込んで」


Kail「はい」





Lail「で、メールの内容は?」


Kail「目的を教える代わりに協力しろと


特別missionの最終目的を教える代わりに


闇側に協力するようにということだと


思います」


Lail「そんなことが起きていたのか


いつからだ」


Kail「ここ一週間くらいの出来事です」


Lail「Mikuは返事をしたのか?」





Kail「いえ、まだ協力するとは


言っていませんが


ただMikuはmissionの最終目的を


非常に知りたがっていたので


興味は示しています」


Kaiza「それはまずいな


向こうからコンタクトをとってくるとは


はじめてのパターンだ


やはり今回は通常のやり方では


通用しなさそうだな」


Kail「はい


Mikuに少しサポートが必要かと」


Lail「規則ではサポートは」


Haru「今回はそんなことを言っている


場合ではないのでは」





Lail「確かにそうだな


仮にパソコンルームに出入りしている者に


入り込んでいるとして


その人間は特定できているのか」


Kail「いえ、まだ特定までは」


Rei「パソコンルームの映像を


見せてもらってもいいですか?」


Lail「Rei、特定できるのか?」


Rei「多分ですが


闇側の仕業だとしたら


その人を包んでいるエネルギーが


黒いはずです」


Lail「なるほどKail


mission mobilieとスクリーンをつないで


映像を流すんだ」


Kail「はい」





Kail「これが一番新しい映像です」


Rei「少しお待ちください」


Kaiza「どうだ、分かりそうか?」


Rei「おそらく


この人に入り込んでいるのではないかと


思われます」


Kaiza「これか」


Rei「はい」





Lail「サポート、どうサポートするかだな


直接下に降りていってサポートするのは


危険だ


闇側に我々のことを突き止められる


心配がある」


Miia「我々もこのパソコンルームに


出入りしている人間の体を借りて


入り込んだらいかがでしょうか」


Lail「Miia 、それができるのか?」


Miia「可能です


入り込んでMikuに気づかせるように


仕向けてみます」





Lail「よし、それでいこう」


Miia「はい、やってみます」


Kaiza「問題は、誰にするかだな」


Kail「あっ、この子がいいかもしれない


おそらくMikuに対して好意があると


思われます


Mikuと同様パソコンルームに通いつめ


Mikuが見える席に座り


Mikuをいつも見ています」





Lail「その子にしよう


Mikuにもともと好意があるなら


やりやすいだろう


どうだ、Miia」


Miia「はい、その方がやりやすいです


では彼にしてみます


少しお時間いただけますか?


今から意識の中に入り込んでみますので」


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