第31話 1100 years ago Dark World

ウイーン

(扉が開く)


「どうだ、転生者たちの様子は?」


「それが.....」


「なんだ?」


「いや、なんといいますか.....」


「はっきりと言え


今どうなってるんだ」





「はい.....


非常に申し訳にくいんですが」


「前置きはいいから早く言え」


「結論から申し上げますと


我々の仕掛けを交わしました」


「交わしただと?」





「まずRitoですが


前回ある女性を妊娠させて中絶させた経験が


相当効いたらしく


今回は誘惑を振り切りました


それどころか同じように塞ぎ込んでる


知りあいの子の家庭教師まではじめました


自分の経験を活かしてといいますか.....」


「経験を.....活かす?だと?」





「はい


それからReiですが彼女もバイオリンは


できなくなりましたが


特別転生者ならではの特殊能力を使って


同じようにいじめにあってる子の


相談にのったりしてるようです、最近」


「なぜそうなる


なぜ這い上がれるんだ」





「Haruですが.....


相変わらず弟を抱えて貨幣は必要ですが


前回より金額を跳ね上げて


仕掛けていますが交わしました


それどころか利益重視だった彼が


ボランティアを続けています


そのことにより彼の数値は


さらに上がっていると思われます」


「Reilaはどうしたんだ」





「Reilaも当初仕掛けた友達と親友になり


彼女への嫉妬心もなくなり


自分の道を歩きはじめています」


「一体どうなっているんだ


当初の予定より大幅に狂ってしまった


どこで間違えたんだ」


「いえ、こちらの仕掛けは


寸分の狂いなく完璧でした


ですが相手もなかなかでした


おそらくそろそろ今回のmissionは


終わりを迎えているのではないかと


思われます」





「彼らが我々の仕掛けを交わして


光に転換したことで


我々の居場所がどんどん減っている


このままでは、クソッ」


「ここまで数値を上げてしまってるため


我々の仕掛けはもう効かないかと」





「そんなこと言われなくても分かっている


あれだ


Ruiがもともと貴宝寺とかいう場所の


石碑とつなげた上にある世界は


一体なんなんだ」


「あれですが、私なりにずっと


調べていましたが


地球ではありますが地球ではないかと」


「どういう意味だ」





「あくまでも私の推測ですが


意識体のような世界ではないかと」


「意識体?


Ruiはどうしてあの世界を


つなげる必要があったんだ」


「それは分かりません


missionに関わるのかもしれません」





「missionに関わる?だと?


だがもう今さらだ


あの世界のことを確実に分かるまで


調べつくせ


次だ、次のmissionだ


それまでに確実に調べておけ


1000年後だ、もう後はない


計画を練り直す」  


「はい、かしこまりました」



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