第29話 1100years ago Dark World

「どうだ、そのあとの様子は」


「いや、それがですね


はじめは確かに効いていました


効いていましたが


それぞれ何かに気づいたらしく


成長しているような気が.....


うまく言えないんですが」





「どういうことだ


今頃は闇から抜けられないところにまで


落ちてるはずだ」


「はじめは落ちました一気に


しかし最近そこから這い上がりつつ


あります」


「這い上がるだと?」


「我々の仕掛けを逆に利用して


成長したといいますか」


「何を言っているんだ」





「まずRitoですが


確かにあのあと


散々適当に異性と付き合っては捨て


付き合っては捨てを繰り返し


挙げ句の果てには妊娠までさせて


つい先日中絶までしてます


ですがそのことをきっかけに


彼の意識が変わった様子が伺えます」


「意識が変わるだと?」





「それからReiですが


我々の読み通りサークルに入り手を故障し


バイオリンができない状態になり


活躍するチャンスを逃しました


ここからが少し違います


先輩を恨むことなく


新たに開花した能力を使って


今までの経験をもとに


新しいことをはじめようとしています」


「新たに開花した能力?」





「それから問題のHaruですが


確かに依頼に飛びついて


彼の中では簡単に稼げる仕事が


世の中にはあるという認識には


なりましたが


やはり彼も意識が変わり


今では当初の彼からは考えられなかった


ボランティアをするようです今後」


「ボランティアだと?」





「はい、最後にReilaですが


予定通り現れた友人の才能に嫉妬して


友人の絵をダメにしたまでは


予定通りです


ですが友人もそれを許し


Reilaもそんな自分を改め


画家になる夢は諦めたみたいですが


新しいことをはじめています」





「なんでこんなことが起きた」


「おそらく彼らは我々の今回の仕掛けを


交わしたことで


非常に数値が上がっていることが


予測されます


数値を上げた者に


我々は近づけないといいますか


以前より跳ね返す力が強くなっていると


思われます


そこで私からの提案です


特別転生者ではなく普通転生者を


ターゲットにしてはいかがでしょうか


数値もここまで高くはありませんし」





「ダメだ


普通転生者では意味がない」


「意味がない?」

 

「そうだ


普通転生者のmissionは経験を積むことだ


それに対し特別転生者は


我々を追放するというmissionを持って


下に降りてきている


普通転生者に仕掛けたところで


我々の状況は何も変わらない


あくまでも特別転生者にだ」


「では.....」





「もう一度仕掛けをする今度こそだ


何としても引きずり寄せるんだ」





アナウンスが流れる





特別転生者Ritoの精神と現実を崩壊します


宜しいですか?





「そうだ、早くしろ」





three





two





one


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