第19話 5次元銀河司令センター

Rei「なんとか全員送り出せたわね」


Haru「あぁ」


「Haru、さっそくバーチャル地球に


行ってみない?」


「今から?」


「まだ完成品見てないんでしょ?」


「あぁ」





「気にならないの?」


「いや、もう完成してるから


俺にとっては過去のことだ」


「フフフ、過去って」


「何がおかしい?」


「ううん、何でもない


ね、行ってみましょうよ」


「分かった、行ってみるか」





アナウンスが流れる





B5 floor Virtual Earth





Kei「おっ、ようやくHaruのお出ましだ」


Haru「どういう意味だ?」


Kei「作った本人が完成品見なくて


どうするんだ」


Haru「俺にとっては過去だ」


Rei「フフフ」





Kei「過去か、まぁいい


このエリアは主に


頭脳のレベルを上げるエリアだ


まずはこのpanelで


シチュエーションを選ぶって


Haruは知ってるよな


そんな説明しなくても」


Haru「Reiは知らない


だから詳しく説明してあげてほしい」


Kei「せっかくだから開発者のHaruから


説明してやれよ」





Haru「あぁ、分かった


例えば目標を医者になりたいと設定する


そのために必要な状況は?」


Rei「受験勉強をして


医学部に合格する必要があるわ」


「地球なら塾に通って


大学に入って卒業をして医者になるまで


少なくとも8年くらいかかる」


「確かにそうね、お金も必要だし」





「まず、塾に行ってみよう


これをかけてみて」


「あっ、塾に変わったわ」


「で、ここで注意事項


はじめの目標があっても、向き不向きがある


数値もそれぞれ異なる


Rei、panelに触れてみて」


「えっ、こう?」





「そうだ


Reiのエネルギーと波動を読み取って


Reiにとって


最適な目標、最適な環境を作り出す」


「Reiは優れた医者になりたいと思う?」


「うーん、誰かの役に立てる仕事


という意味では魅力を感じるけど


他にもっと向いてる仕事があるのかなとも


思う」





ピピピピピ


ピピピピピ


「測定完了だ


Reiが医学の道に進むとしたら


最適な仕事は看護婦、助産師


それから外科的要素を含まない分野だ」


「なるほど」


「この中でどれを選ぶ?」


「うーん、看護婦かな」





「分かった、目標を看護婦に設定し直す


もう一回かけてみて」


「あっ、また変わった」


「ここがどこか分かる?」


「地球でいう看護学校かしら?」


「そうだ、Reiは看護学生になった」


「じゃあ、4年かけて卒業するの?」





「そこが違う


地球と俺たちの時間の感覚は異なる


それからReiの能力により


卒業するまでの時間は変わってくる」


「なるほど


私、地球のいわゆる理系は


あまり得意ではないから時間がかかりそう」


「どれぐらいで卒業できるか


計測してみよう」





「Reiが看護婦になるために必要な時間


地球の時間でいう4年間、1460日


この世界で計算し直すと、486日


だいたい3分の1


1年と20日ぐらいまで短縮される」





「やっぱり4年まるまるかかるのね、私


Haruが医者になりたいって設定したら


あっという間になれそうね」


「どうだろう」


「調べてみる?」


「いや、いい


君には得意なことがある


俺にはないものをたくさん持ってるから」


「ありがとう」





「B6は、精神の数値を上げるエリアだ


君の得意分野だ」


「ということは


B7は特殊能力のエリアね」


「そんなところだ」


「見に行ってみる?」


「えぇ」





Kei

(Haru、随分と穏やかになったもんだ)


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