第27話 今年も恵方巻を強制購入なのよ!!

地方の中小企業規模の会社で、小売りや外食店を展開している中で大手コンビニとFC契約をしてコンビニまでも何店舗も展開しているところもある。

小売りや外食、コンビニと全てが長時間労働の職場ばかりでるが・・

そんな会社のコンビニ事業部は毎年1月の中旬になるとコンビニ以外のお店の従業員へ向け節分の恵方巻の注文書を配りに来る。

恵方巻の欲しい種類にチェックを入れて期日までに店長に渡すようにと事務所に貼り紙が。

新入社員や新人パートやバイトは「この会社はコンビニも運営しているから恵方巻が貰えるんだ!」と勘違いしてしまう。

違うんだよ。

毎年、全社あげてコンビニ事業部が展開しているコンビニから恵方巻を買うのである。

買うというより、買わされているのである。

展開しているコンビニ数店舗で恵方巻の販売数の前年実積を越える為に年々強制購入数は増える。一般のお客さんの予約状況が悪いと上司から順番に複数個の恵方巻を買わざるを得ない空気が漂う。

会社の従業員全員が毎年買うから、そんな事など知らないFC本部には優秀な販売力のあるFC加盟店だと思われている。

どこのコンビニの恵方巻も500円程度の小さなものもあるが、平均して1000円以上している。

バイトもパートも1000円以上の出費を強いられる。

「これって問題だろう・・」という人も出てくるが、「会社全体としてコンビニ事業部を助けてあげよう! それが後々の会社の利益、従業員の利益になる・・」などと上司がわけのわからない言い訳をする始末。

注文書と料金を各店の店長がまとめてFC事業部へ送る。

給与天引きは強制購買として問題になるんだろう・・。

一応、従業員各自の自由意志で購入しているという体裁になっている。


2月の2日と3日に分けてFC事業部の部長や課長が各店に恵方巻を配達してくる。

欲しくない恵方巻を従業員は受け取り、自宅へ持ち帰ったり、休憩時間に食べたり。

コンビニの恵方巻って値段の割にたいして美味しくもないんだよね。

1000円も1500円もする恵方巻を買うなら、近所のスーパーで安いのもあるよね。

どこかの有名なお寺で祈祷を受けた海苔が巻かれているとか、関係ないし・・・

などと愚痴をこぼしながら毎年食べる恵方巻なのよ!!

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