第157話 うほっ プリケツだらけ
「さて続いたぞ。ところ変わって金閣寺だ」
「マジで金色だな」
「金色じゃなくて本物の金だよロリータ」
よく写真で見る金閣寺。正確には鹿苑寺の舎利殿、金閣。通常の5倍の厚さの金箔が20万枚貼られているby Wikipedia!
「凄いね、隅から隅まで金だ」
「ちなみに今のこの金閣寺は二つ目で、最初の金閣寺は放火によって焼失している」
「じゃあ最初の金箔も一緒に燃やしちゃったの? もったいない!」
昭和25年(1950年)、終戦から5年後に放火によって全焼、昭和27年から再建が始まり昭和30年に完成by Wikipedia!!
「じゃあ次は銀閣寺だ」
銀閣寺。正確には慈照寺観音殿、銀閣。あんまり知られてないかもしれない、金閣寺と銀閣寺は地理的に正反対にあるから一日に両方行くのは時間掛かるでござる。
「おい、普通の家だぞ」
「諸説あるが痕跡はないことから最初から銀箔は貼られていなかったのだ」
「今から銀箔貼ったらダメなのか?」
「ダメ…なのではないか…?」
めっちゃ悪目立ちしそうでござる。
「銀閣寺は特に事件もなく、位置も創建当時からそのまま動いていないと推定されている」
「…何年建ってるの?」
「もうすぐ530年だな」
「これ木造なんだよね? 日本って地震あるよね? なんで倒れないの?」
護国寺の五重の塔に行きたい人は別の日にしましょう。北区(金閣寺)、左京区(銀閣寺)、南区(東寺)というめんどくさいことになるでござる。
「さて時間が押してるので奈良の大仏」
奈良の大仏は東大寺、盧舎那仏像(とうだいじ、るしゃなぶつぞう)by Wikipedia!!! 銅による鋳物で、こっちも戦国時代に燃えまくって今は三代目くらい。当時から残ってるのはごく一部。
「…思ってたよりも小さい」
見てみるとそんな風に感じるかもしれないけど使用された銅は約500トンだそうでござる。十円玉が4.5グラム。500トンはグラムにして5000000グラム(だと思う)。十円玉何枚になるかといったら1,111,111.1111111というよく分からない数字に。
「はいじゃあ次は徳島県、うずしお」
鳴門の渦潮は、徳島県鳴門市と兵庫県南あわじ市の間にある鳴門海峡で発生する渦潮である。大潮の時は最大で30メートルになるby Wikipedia!!!!
「あっ、遊覧船から人が落ちたぞ」
「おら少佐行ってこいよ海兵だろ」
「いやムチャ言うないくらなんでもあれは無理だ諦めろよおい待てやめろ押すなよ」
「誰も得しない…得しない…得しまい…」
「ア、ソーレ! ここ徳島県!」
ドンッ!!
「ぬおおおおおおおおおぉぉぉ!!!!!」
「死んだら二階級特進だ。生きて返っても二階級くらい上がるだろ」
「殺す気か!」
「はえーよホセ」
観光は遊覧船や両岸から。大鳴門橋の観光施設に入れば高さ45メートルからガラス張りの床を通して渦潮を見ることができるでござる。
「はい次は鳥取県、鳥取砂丘」
海外にある砂丘で日本三大砂丘の一つ。観光出来る砂丘としては最大であるby Wikipedia!!!!!
「砂漠だなこりゃ」
「ラクダもいるな」
「ドラマの撮影にも使われるなど経費削減に一役買っているのだ」
ちなみに『水曜どうでしょう』が落書きしたり勝手に砂採集して環境省から怒られたとかなんとか。名古屋大学のサークルもやらかして始末書を出すなど問題になっているでござる。条例違反です。
「はい、次は和歌山県」
「おっちゃん今日はもう夕暮れだぜ?」
「続きは一泊してからだ。今日はもう終わり」
「今ニッポンのどのくらい回ったの?」
「まだ半分くらい。北海道含めたら3分の1程度」
「うん、ゆっくりいこう」
<ピロピロピロピロ!
「おっと、良いタイミングで博士から次のお題だ」
【仮想を現実に、現実を仮想に。ゲームで強くなったら現実でも強くなれる。どうやると思う?】
和歌山県、某旅館の一室。
【仮想を現実に、現実を仮想に。ゲームで強くなったら現実でも強くなれる。どうやると思う?】
「だっとよ。意味分かるか?」
「分かんなーい」
「そもそもこの日本一周の後の仕事の、今度発売になるゲームはいわゆるフルダイブゲームなんだろう? 現実関係なくない?」
フルダイブ。ネットの世界に人の精神を落とし込み、仮想世界で遊ぶというもの。主に視覚、聴覚、触覚を再現しておりもう1つの現実と呼ぶに相応しい世界。
「森亜教授は一体何を考えている考えている?」
「分かったら苦労しないぞ、二回言っても分からないものは分からないぞ」
「天才とバカは紙一重、とは言うけれど奇人変人も
多いよね」
「うわっ、教授に言っちゃおー」
「すいません嘘ですごめんなさい、冗談だよーう」
ごろごろ。
「だがよー、このメールの通りなら現実で強くなったら仮想世界でも強くなれるってことだろ?」
「ゲームと聞くとレベル上げを想像するに容易い」
「現実でもレベル上げか…。廃人かな?」
「…なあ、こっちの世界での精神とか魂ってどういう扱いになってんだ?」
「突然どうしたヤンキー褐色幼女」
「幼女言うなぶっ殺すぞ。アタシの世界、つまりオリジナルの世界じゃ人の精神力だのなんだのはあんまり信じられてない。そんなもんを本気で語るヤツは檻のある病院に突っ込まれるのがオチだ」
おおこわ。
「うーん、こっちでもそんな感じじゃない? 病院に突っ込まれるなんてことないけど、証明した人いないし」
「…心の力を認めるということは、人の魂を認めたことになる」
「ほい正解。メリケン頭いいじゃん」
「これでも大学は出てる。いや俺のことなんかどうだっていい。そんなことよりもこれはつまり」
「つまり教授は魂の証明をしてるんだよ。それが科学であれ魔法であれ、確固たる手段で第三者にも再現可能なる手段を持って」
「あ、ボクちょっと嫌な予感してきた」
「流石オレ、聡いな」
「教授は現実と仮想現実の優位性を入れ換えるつもりだ」
しかも、それはゲーム上のシステムや人の意思によって任意に自由に置き換えられるでござる。
「おいおいおい待って待って、廃人がよく言う『こっちの世界には帰ってこない』なんてジョークがジョークにならなくなっちゃうよ」
プレイヤーがいたいときにその世界にいる、まさに理想の世界でござる。
「この世界の今の技術でそんなことが可能なのか?」
「…魔界と取引すれば、あるいは」
「魂の在りかどうこうの前に魔界が証明されないんだけどそれは…」
「証明もクソも教授がこのメール送ってきてる時点で頭おかしいだろ」
「あう…」
ごーろごーろ。旅館って晩御飯から帰ってくると布団敷いてくれてあるでござる。
「魂の在りかを
「仮想現実を経由してこっちのコピー世界に侵入される…?」
「まさか。侵入されることなんて開発の途中で気付くでしょ。そうじゃない、侵入じゃない。…歓迎?」
「教授、まさか向こうのオリジナル世界の連中全員救うつもりでいんのかよ?! バカ言えよ、何十億人いると思ってんだよ!」
「ひよっとして最近になって宇宙開発の話が俄に出てきてるのって」
「オイオイ勘弁してくれよ、つまり俺達は世界の壁を越えるための実験のモルモットってことかよ」
「歴史に名を遺すと思うけどね」
「遺すの字が縁起でもないよ」
(…ヨタ話だろこんなもん。これがマジなら向こうにも協力者がいねーと成立しねーはず。一体誰が手を貸してる…? こんなことしたらオレと同じよう裏切りモンじゃねーか…、いやオレ以上に)
「魔界と取引すればあるいはってことは、教授はやったのか」
「たぶんな」
ごろんごろん。
「たぶんなって知らないの?」
「オレは龍族が特使として来てるとしか聞いてねえんだよ」
「…ボク、会ってる」
「は?」
「龍族の長の孫っていう、ツノの生えた女の子とその付き添いの人に会ってる」
「ああやべえ、アタマ痛いわオレ」
「奇遇だな俺もだ」
「少佐も? 僕もだよ」
「うぅむ、我々はどうやら温泉に釣られて関わってはいけないものに関わってしまったのかもしれない…」
ところ変わってとある京都市内の旅館。
「おおう…、これがROTENか…」
「正確には露天風呂だ。というかこの間入ったばかりだろう」
「岩石の床壊してめっちゃ優しくお帰りくださいって言われたな」
「一番の時期は雪が積もる冬らしいけど、贅沢は言ってられないねぇ」
今度こそ男のみ。誰得なおっさん三人の露天風呂。ナイスミドルでもなければナイスシルバーでもないでござる。
「部屋も広かったがこのROTENもなかなか広いな。我が家に作れないか?」
「まず温泉を掘って当てないといけないな」
「あ、そっーれ!」
どっぱぁん!
「飛び込むでない」
「バク宙三回転ひねりッ」
「いやっふーい!」
「おらっしゃああああ!」
※残念ながら貸し切り混浴でござる。
「おい待ちたまえ、二人ほど増えてるぞ」
「気にすんなよおっさん。ガキ二人増えたところでなんだっつーんだよ」
大人の男二人に釣られてボクっ子オレっ子コンビが間髪入れず露天風呂にダイブしていく。良い子の皆は真似しちゃいけないでござる。
「日本の風呂は体を洗ってから入るのが礼儀だ」
「カーッ! これだから日本人は!」
「ハメ外せる時くらいパアーッと行こうよ!」
「大将見習えよ。好き放題やったって許されるのがこの世界だ」
「なぜ私が説教されているのだ…。好き放題でもやっていいことと悪いことがだな」
ケンコー全裸系小学生の飛び入りに注意したらなぜか言い返されるリーマン魔術師さん。文化の違いと言いますかなんと言いますか。この五人はアメリカ、フランス、南米、日本とてんでバラバラでござる。
「エラい真面目ちゃんだな。お前本当に悪の組織にいたのか?」
「サード・アイは手段こそ違えど目的は七人の
「にーちゃん今ごろなにしてるかなあ」
「大将ならヨロシクヤってるだろ」
「ボクらが抱かれるにはあと10年くらい掛かるかなあ」
「だぁっ?! お前それマジで言ってんのか?!」
「だって可愛がってくれるけどなんか恋人って感じじゃなさそうだし」
「うーん、キミらじゃ良くて妹か最悪娘だね」
「ハーレムか。男なら一度は夢見るもんだな」
※いまさらだけどスーさんズは10歳でござる。全裸で。
「悲しいかな。今のボクらじゃすっぽんぽんでもなんのサービスにもならないし、謎の白い光も必要ないんだよね」
「狙ってる客層が狭すぎるんだよ」
大丈夫、キミらにはまだ将来があるでござる。
「博士からのなぞなぞがまた届いている。長風呂もそこそこに部屋に戻るぞ」
「「「「はーい」」」」
完全に保護者でござる。
「木田技研、森亜博士からの新しい課題だ。『融合現実』ってなんだと思う? だそうだ」
背景にあるのはマイルド計画。
Mix ミックス
Mind マインド
Realization リアライゼーション
書いてみて分かったけど全然スペル合わないでござる。
「融合現実。仮想現実と本当の現実の壁を取り払い、様々な不可能を可能にする…。訳が分からないよー」
「仮想だからこそ出来ることを現実でもやっちまおうってことか?」
「それはまずい」
「なんでだよ。空飛べたりするんじゃないのか? 良いことじゃないか」
「夢と現実の区別が出来なくなることと同じなんだぞ」
「仮想を現実に出来たら、オレんとこのディストピア化した地球や世界も変えられんのかねぇ」
「…! いやまさか、まさか!」
「それ、アリかも!」
「おいおい嘘だろ? 世界丸ごと一個作り変えるのか?」
はい、正解でござる。部屋に戻って布団でごろごろ。
「なんでも出来るようになるな」
世界人類総ヒーロー化計画。ネットゲームでの強さを現実のものに。現実の強さをゲームの世界に。空想だった全ての変身ヒーローの存在が過去になり、新しい伝説を一から始める。
「仮想が仮想でなくなる時代が来る…?」
ボスっ!
「ぶっ」
「そんなことより枕投げだー!」
「騒ぐと迷惑になっ」
バスッ!
「…」
「げはははは! ヘイヘイ魔術師ビビってるー!」
いつの間にかビール瓶片手にデキ上がっている少佐。酔っているのか性格が変わっているでござる。
「いいだろう、本物の枕投げというものを見せてくれる…!」
「アホくさ。オレは寝るぞ」
バンッ!
「えぇー寝るのー寝るのーニヤニヤ」
「おらっしゃあああああああ! 上等だよこの不良警察があああああ!」
「キャッキャッ」
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