第2話 第1の被害者

随分ずいぶん長居ながいしてしまったようだね。

 例の場所へ案内するよ」


 メガネ……じゃなくてハカセさんの手招きで、

 ぼくたちは中央階段を降りて左に曲がる。

 つまり、ぼくが最初に倒れていた部屋と対向側の部屋だった。


「いいかい? 心の準備は。開けるよ」


 ドアノブをひねり、手前に引いて開ける。

 ここに7人目が。

 だけど、何で出てこなかったのだろう? 

 だが、このどんよりとした黒い空気で確信が持てる。

 ゴクンと喉を鳴らして凝視すると、

 床いっぱいに白い紙が雪のように降り積もっていた。


 更に一歩踏み出して中へ。


 アンモニアの腐ったような臭いが、

 ぼくに警笛を鳴らす。


 これはやばい。

 氷で背筋をなぞられたような衝撃。


 ズームアップしてみるとかたのいい、

 白衣の男が、社長が座っていそうな木製の広い机に顔を伏せて寝ている。


 机上にも真っ白な紙が降り積もっており、

 所々にドズ黒い血の斑点はんてんが飛び散っている。


「きゃあああああー」


 ヒメはヒメだけに悲鳴を上げてあねごさんにしがみつく。

 一方、白ちゃんは手で口元を覆っている。

 ぼくならともかく女の子にこういう惨劇さんげきを見せるのは、

 トラウマになりかねないんだが。


「……ここは?」


 ゴクンと息を飲み干して尋ねるとハカセさんが、


「ここは熊さん、あねごさん、僕と3人が倒れていたところなんだ。

 もちろん死んでいる男のことは知らない。

 君たちに見せたのは、

 もしかしたら記憶が戻るかもって期待はしてたんだが、

 その反応だとショックだけを与えてしまったようだね。

 すまない」


 深々と頭を下げる。悪意はないらしい。


「いいえ、でもここって書斎しょさいっぽいですよね? 

 やたらと本が飾ってあるし」


 ぼくは記憶をさかのぼるように、

 ゆっくりと部屋を一周する。

 だが、つーんとさびた火薬のような血の臭いしか収穫はなかった。


「この死んでいる人、

 このままじゃ、まずいですよね? 

 早く警察に連絡しないと」


 何気ない一言がみんなの顔を凍らせた。


「そうだよ、警察だよ! 

 なんで早く気がつかなかったんだ」


 あねごさんがポンと手を叩いて、

 頭上の豆電球を光らせた。


「ケータイ持ってないか?」


 みんながぺたぺたと体中に手を押しつけて捜索中。

 6人もいるんだ、誰かしら持っているだろう。

 ぼくはその様子をじっと眺めていた。


「なんだよ、持ってねえのかよ」


「あねごは持ってるの?」

 ヒメが言った。


「あたいはもちろん……あ、持ってた」


 胸をポンと叩いた瞬間に異物を発見したようだ。


「早く通報してよ」


「うん」


 だが、ケータイを片手に石像になったように、

 硬直こうちょくしてしまった。


「もしかしてバッテリー切れですか?」


 悪感あっかんを読み取ったぼくは、横から覗き込むと、


「いや、パスワードが思い出せなくて……」


「なんで自分で入力したパスワード忘れちゃうんですか! 

 思い出してくださいよ。

 ほら、えっと誕生日とかあるでしょうが。

 こっちは一刻を争ってるときなんですよ」


「うっせえ! 記憶がないんだよ。

 わかんねえのか、アホ」


 鼓膜こまくを破るくらいの大声でブチ切れた。

 小さな唾液だえきのシャワーが顔まで飛んできて汚い。


「4ケタだから順番に潰していくしか手立てはなさそう」


「おまえバカじゃねーえの! 

 3回間違えるとロックがかかって使用できなくなるんだよ。

 これ常識だかんな」


 うぬぬ、見下された気分。

 なんでロックがかかる常識は覚えていて、

 肝心かんじんのパスワードを忘れてるんだよ。

 だとすると他に方法は? 

 足元を見ても白い紙だらけ。

 さささっと一部分だけ回収すると、

 意外なものを発見してしまった。


「ケータイありますよ、これ。しかも5台」


 拾い集めると、みんなが物珍ものめずらしそうに寄って集まってきた。


「おい、これ貫通かんつうしてるぞ」


 その1つを取って、

 あねごさんはぽっかりと空いた穴からぼくを覗いてきた。


「うっ、本当だ」


「バカだよね。

 ふつう、こんな穴開いてるんだったら、

 あたしらに見せる前に気づくよね」


 ヒメがそっぽを向いて鼻先で笑う。

 ちくしょう、舞い上がって気づかなかったんだよ。

 ヒメに言われると余計ムカつく。


 ケータイを広げていた手が軽くなった。

 ふと視線を落とすと白ちゃんが1台抜き取って、

 表裏ひょうりをひらひらと見ている。


「見覚えあるの?」


 聞いてみると難しそうな顔をして、

 ぼくに突き返してきた。

 それにしてもなんでケータイに風穴かざあなが開いているんだ? 

 嫌がらせ以外考えられないんだが。


「近所に誰かいませんですかね?」


 メガネを光らせながら、

 ナイスアイディアを叩きだしたのはハカセさん。


「ちょっと探してくるベ」


 部屋を出ようとする熊さんにぼくは、


「外は土砂降りなんで気をつけてくださいよ」


 と、アドバイスを送ると軽く手を挙げて出て行ってしまった。

 ひっそりと耳を澄ましてみると、

 地を叩く雨音が、

 ザーザーとテレビの砂嵐のように聞こえる。

 残念ながらまだ止んでいないようだ。

 これで連絡が取れれば問題解決……だろうか。


「他にケータイ持ってるヤツいねーか?」


 ひょいっと右手を挙げてあねごさんは見渡した。

 大体そんなこと聞いてどうするんだ? 

 持っていたとしても、

 暗証番号がわからなくて使い物にならないだろうが。


「僕、持ってますよ」


 ハカセさんは背広の内ポケットから、

 折りたたみ式の黒いケータイを取りだした。


「ナイス、貸してみろ」


 ハカセさんのケータイを分捕ったあねごさんは、

 くの字に曲げて電源ボタンを押す。


「おい、起動しねーぞ」


「バッテリー切れみたいですね」


 ガキ大将のように奪い取られたのにもかかわらず、

 ハカセさんは冷静に言葉を返す。


「使えねーな」


 ボギッっと関節が折れるような音がした。

 なんとあねごさんは、

 逆への字にハカセさんのケータイを曲げてしまった。


「ちょっとあねご、何壊してんのよ!」


 その姿に口を割ってきたのはヒメだった。


「悪りぃ。

 反対に曲げちゃた。

 別にイラッとして曲げたわけじゃねーかんな。

 ほれ返すわ」


 ハカセさんの手元にはハの字のケータイが。


「まっ、電池切れだし別にいいだろ。

 どうせ入ってたって暗証番号わかんねえし。

 結果オーライってことよ」


 ガハハハハ、と大笑いをして帳消しにするつもりだった。

 これじゃあまりにもハカセさんが可哀想すぎる。

 ぼくはあねごさんに、


「壊したんなら、ちゃんと頭を下げて謝ってくださいよ」


「ちょっと太朗、

 股間が膨らんでるぞ。

 なーに考えてるんだよ。

 こんな事態じたい不謹慎ふきんしんなヤツだな」


「えっ?」


 目をニヤリと光らせて、

 ぼくのズボンを指してきた。

 あねごさんの隣では、

 ヒメが「やらしー」と軽蔑けいべつ眼差まなざしが。


 慌てふためき股間をガード。

 だが膨らんでいる部位は、

 右ポケットの辺りだった。


「違いますよ、これですって」


 取り出してみたのは、

 クリーム色の立方体のケース。

 表面はうぶ毛のようにふさふさしていて、

 どことなく高級感がずっしりのしかかっている。


「それってエンゲージリングじゃない?」


 さっきまで冷たい眼差しを送っていたヒメが、

 目をぱちくり開けている。


「えんげーじりんぐ」とあねごさん。


「婚約指輪のこと」


「サプライズか。

 ってことは、あたいたち3人の誰かにプロポーズするために、

 持ってきたってことだな」


 ぼくの横に来たあねごさんは、

 「このー、このー」と言って肘を2回押しつけた。


「どうでしょうかね」


 曖昧あいまいな返答をする。

 もちろん覚えがないから。


「早速確かめてみようぜ。

 じゃあ、あたいから」


 そう言うと、指輪ケースごと奪って開けて左薬指にはめる。

 ヒメが「なんかシンデレラみたい」と嬉しとうに拍手。

 ちなみにダイヤの大きさは米粒程度。

 いかにも、なけなしの金を叩いて買ったとみえる。

 リッチじゃなかったんだな、がっくし。


「キツいな。ほれ、次は白だっけ」


 あねごさんは、

 ぼくの後ろにいた黒ロング少女の白ちゃんに渡した。

 喋れなかったので存在すら忘れるところだった。


「……」


 頬をうっすらと染めて薬指に挿入。

 あねごさんもそうだったが、

 こういうシチュエーションには緊張するらしい。


「……ぶかぶかだな」


 残念ながら彼女の指にはフィットしなかった。

 まあ当たり前か、幼すぎる。


「はいはーい。最後はあたしね」


 白ちゃんの指から抜き出すと、

 ヒメはためらいもなく左薬指に装着。


「うっそおー! ぴったりじゃなーい」


 左手をくるくる回して感触を覚えてあとに、

 天に掲げて晴れやかに笑う。

 マ、マジかよ。

 反対にぼくは、

 肩に鉄球が下りたように身体が重くなった。


「もったいぶってないで素直にプレゼントしてよね。

 あ・な・た」


 二の腕にしがみついたヒメは、

 アイドルのようにウインクをして頬を紅潮こうちょうさせている。


「はははは……」


 180度性格変わりやがって。

 女って怖い生き物なんだな。


「おふたりさん熱いねぇー」


 あねごさんがヒューヒューと冷やかしてきた。

 その横ではハカセさんが、

 だらだらと拍手をしている。

 ハカセさんにとっては迷惑な空気だろう。


 一方で白ちゃんは、

 ぼーっと突っ立って動かない。

 マネキンかと思ってしまった。


「はあ、はあ、はあ」


 そして熊さんが大きく息を切らして帰ってきた。

 バケツの水を頭からかぶったように全身がずぶ濡れ。

 ぼくの忠告を聞いてなかったのだろうか。


「連絡は取れましたか?」


 ハカセさんが熊さんの息を整ったことを見計らって尋ねる。


「ダメだっただ。

 この屋敷周辺が断崖絶壁だんがいぜっぺきで、

 1本のコンクリートの橋で向こう岸と繋がってるだけだったべ」


 その声はどことなく絶望的だった。

 つまり近所には家がなく、

 この屋敷が孤立していることだろう。


「では誰かが橋を渡って、

 助けを呼びに行きましょうか?」


「やめておいたほうがいいだ」

 熊さんはキッパリと言った。

「雨脚も強いし、

 暗くなってきてる。

 もし行くとすれば明日に回すべきだ。

 それにその先は視界が悪い。

 遭難そうなんしかねないだ」


「そうですか。

 明日の朝に回しましょう。

 それでよろしいですか?」


 ハカセさんの案に、

 ぼくは首を振って同意した。

 わざわざ危険を冒してまで進むべきではない。

 むしろこの屋敷で待機していれば、

 向こうから助けが来る可能性が大。

 まさに『果報は寝て待て』作戦。

 そう考えれば楽だった。


 だが、目の前に見ず知らずの人間が死んでいる。

 そう考えると胸が締め付けられるくらい不安だ。


「明日の朝か。問題は山積みだな」


 あねごさんの声もどことなく疲れ果てていた。

 ハカセさんが、


「問題とは?」


「雨風はしのげるけど食糧とかあんのか、ここ。

 それにこいつ、

 そのまま放置しちゃまずいんじゃねーの?」


 グイグイと親指を指す先には、

 机にもたれ死んでいる男の姿。

 ぼくと同じくあねごさんも気にしていたらしい。


「食糧ですか。

 まあ食べるものがなくても明日まで我慢すればいいことですし。

 確かにこの遺体を放置しておくのも気が引けますね。

 本来なら現場検証げんばけんしょうで動かしてはいけないでしょうが、

 この蒸し暑さでは腐敗ふはいが進みかねません。

 どこか涼しい場所に寝かせておくのが無難かと」


 遺体を移動させるって嫌に決まってるだろ。


「太朗くん、お願いできますか?」


 ハカセさんはメガネのレンズを光らせて、

 ぼくにターゲットを絞ってきた。

 拒否オーラを解放していたのにも関わらずに。


「嫌ですよ。

 遺体に触るなんて気持ち悪い。

 言い出しっぺのハカセさんひとりでやってください」


「それではもうひとり……」


 うーん、と低い声でうなりながら考え込んでしまった。


「あのう、人の話聞いてますか?」


 そこであねごさんが、


「もうひとりはヒメでいいんじゃねえ? 

 太朗とヒメの愛の共同作業ってことで」


「不謹慎すぎますよ! 

 死人が出てるんですよ! 

 もっと真剣に考慮こうりょしてください」


「あねごったらもう。

 でもあたし箸より重いもの持ったことないから、

 太朗に委ねちゃう」


 ……頭が痛くなってきた。

 こうなったら必殺、なすりつけ作戦。


「ぼくたちふたりで運ぶより、

 熊さんひとりでやってもらったほうが、

 人件費削減じんけんひさくげんできますよ?」


「おらぁ、箸より重いもの持ったことねえだ」


「ムキムキの肉体で、

 か弱いセリフ言われても説得力ないです」


 ぼくの頭痛が2割ほど増して脳に縛りつけてきた。

 勘弁してくれよ。


「男のクセにウジウジ御託並べやがって! 

 ズバッとジャンケンで決めるしかねえな。

 一発勝負、

 最初はグー、ジャンケーン」


 あねごさんが拳を振り上げると、

 みんな輪になって手を強く握りしめた。


「ポーン」

 りきってしまったのか、

 5人はグーで一人だけチョキ。


 ハカセさんの負けだった。


 すごい、珍しく1発で決まるなんて。


「おまえひとりでやっておけよ」


 あねごさんがぼくたちの背中を軽く押して、

 ハカセさんを取り残して部屋から出て行こうとすると、

 「待ってくれ」と呼び止められた。


「やはり遺体をむやみに動かすのはよくない。

 このまま放置しておくべきだと僕は思う」


 自分に回ってたのは想定外そうていがいらしく、

 見苦しい言い訳を述べた。


「じゃあ最初っから動かすなんて言ってんじゃねーよ! 

 そもそもここに置いておいて大丈夫なのか?」


「冷房でキンキンに冷やしておきましょう」


 机上にある白いリモコンを手に、

 ピッピッピッと電子音をなびかせて冷房を稼働させた。


 すると、ひんやりとした空気が滑り落ちてきて部屋中を包み込む。


「設定温度は15℃にしておこう。

 すまなかった。

 実は僕も遺体を触るのに抵抗があったんだ」


 申し訳なさそうにハカセさんは深く腰を曲げた。

 許してあげよう、ぼくは心が広い男だから。


「どうかしましたか?」


 ハカセさんが頭を上げると、

 白ちゃんが1枚の用紙を手に広げた。

 そこには印刷文字でこう書かれていた。





『お前たち人間のクズは、

 我が実験のモルモットにさせてもらったよ。

 記憶は私が消去した』





 白ちゃんを中心に、

 その文章をみんなが目撃した。


「モルモットって、

 あたしたち人体実験のために記憶喪失になったわけ? 

 なんでよ、どうしてよ?」


 両肘を抱えてヒメは震えている。

 ゴクンと息を飲み干したハカセさんは白ちゃんに、


「この紙はどこに?」


 白ちゃんは遺体の机のあたりを指した。


「ということは、

 この遺体の男が我々全員に記憶喪失の薬を投与して、

 自害したってっことでしょうか」


 何度も首を動かしながら、

 腑に落ちない様子のハカセさん。

 その推理も意味がわからなかった。

 実験結果を見守らないで、

 自殺する理由なんてあるのだろうか。


「ちょっと、白ちゃん」


 ぼくの声が漏れてしまった。

 なんと白ちゃんが、

 伏せている男の遺体を起こしてるのではないか。

 遺体は椅子にもたれかかるようにふんぞり返っている。

 白目をきだして、

 口からは滝のように、

 よだれが糸を引いていた。


「どうやら、この男も被害者のようだね」


 ハカセさんはじーっと遺体をにらめっこして呟いた。

 ぼくと熊さんとあねごさんは、

 釣られて興味深く覗き込む。

 ヒメはぼくから手を離し壁際かべぎわそむけてしまった。


「ほら、額の中央に弾丸の痕跡こんせきが。

 誰かに殺されたに違いない」


「そっか。自殺するんだったらこめかみを打ち抜くもんね」

 とあねごさん。


「ってことは、

 おらたちの他に、

 もうひとり屋敷いるってことけぇ」


 外見に似つかなく熊さんの声は震えていた。


「いるかもしれないし、

 逃げたかもしれない。

 食糧のことも兼ねて、

 ここはもう1度捜索してみないか?」


 ハカセさんは眉間にしわを寄せる。

 確かにここに立ち止まっていても何も始まらない。

 それに屋敷を捜索すれば、

 ふとした衝撃で記憶が戻る可能性もある。


「みんなバラバラになるんですか? あたしはイヤ」


 後ろ向きにヒメが言った。


「単独行動は危険を生みかねない。

 二手に別れるとしよう」


 ハカセさんは完全に場を仕切っていた。

 学級委員長タイプだろう、この人は。

 それはそれでぼくも助かる。

 この状況で二手に別れるとしたら男女別が無難だろう。

 熊さんは盾になるし、

 ハカセさんは頭脳明晰ずのうめいせきだし。

 このふたりについていけば楽だ。


「あたしと太朗がペアで、あとはそっちで組んで」


「なぬ!」


 ヒメの自己中発言に両肩がビクンと跳ねた。

 待ってくれよ、

 このじゃじゃ馬と一緒かよ。


「何か不満なの?」


「いやだって、

 こういうのって男女別になるのが普通かと」


「あたしたち婚約者なんだから、

 ペアになるのが当然でしょ」


「は、はぁ……」


 すげえな指輪パワー。


「3対3で行動しよう」

 ハカセさんが言った。

「太朗くんヒメさんペアともうひとりは……」


 静かに小枝のように、

 細い手を挙げたのは白ちゃんだった。


「では僕とあねごさんと熊さん。

 そして太朗くんとヒメさんと白さんの二手に別れよう。

 目的は不審なところの捜索と食糧探しってとこかな」


 するとあねごさんが、


「二手って1階と2階に分別するのか?」


「まずは1階から探ってみましょう。

 目星がついたら中央間に集合するってことで」


 ハカセさんの案に異議もないので、すんなり頷いた。


「あ、それと付け加えてテレビと電話なども探してもらえないかな。

 やはり外部との情報も欲しいからね」


「じゃあ、あたしたちは右側に行きますね」

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