第32話 帰還
町へと帰ってきた。長くは離れていたわけではないが懐かしく感じられる。
相変わらず街道には人があふれ、店の前には行列が伸び活気に満ちていたが一方でこの光景の裏側で動く暗く大きなうねりに恐怖を覚えもする。
「とりあえずギルドへ行きましょう、依頼の報告と報酬は貰いたいですから」
ギルドへ向かう、今回の依頼がもしギルドと領主が組んで出した俺たちとできればドラゴンを殺そうとするものならギルドへいくのは危険だがその目的は分からないが敢えてギルドに行くことによって情報を得られるかもしれない。
「お帰りなさい、話は聞いてますよ。こちらが今回の報酬です」
受付に向かう、いつも通りの態度でメアリが出迎えてくれるが心なしか不満な顔を浮かべていた。
「…それとここ最近の暗い噂をまとめたものです、南の領主の周りで政敵が暗殺された、遺物が横流しされたなど依頼の前に渡せればよかったのですが」
ありがたかった。こちらに帰る前にわざわざ領兵に頼んで早馬を出してもらったかいがあった。彼女から手渡された資料は明らかに数日で調べられるような量ではなくまたその精度も信頼出来うるものであることがその手腕の高さを知らしめられた。
「ありがとうございます。無茶を聞いて貰って」
「いいですよ…それにもう少し私を頼ってください私はあなた達冒険者の味方ですから」
「そうですね私も思っていますよ、だからまたお願いしますね」
ルナはうれしそうな顔で言った。
噂の内容は多岐に渡ったがその中で今回の事に関連する共通項、存在が未確認な魔物、その後の素性のしれない集団との戦闘そういったところから調べた結果、一つの遺跡がその中心にあることが分かった。俺が眠っていた遺跡だ。
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