第20話 朝
「おはようございます。郵便です」
「ありがとう」
朝、昨日酒を飲みに飲んで潰れているリーダーやワイズマン、その介抱で疲れ切って寝ているルナの代わりに郵便物を受け取る。日に二回来る配達の一回目だ。朝には新聞、朝一番に届けるべき手紙や荷物が届く。
現在、俺たちはギルドから借りている共同住宅に身を寄せ合っている。それぞれの寝室と共同の食堂、風呂が完備された充実した住宅だ。
「おはようございます…」
「おはよう」
一番に起きてきたのはルナだった。眠そうではあったがしっかりと装備を付けているあたり流石、冒険者だ。
「リーダーとワイズマンはどうだった?」
「ドアをノックしましたが返事の代わりにいびきが聞こえましたから寝てるでしょうね」
「そうか、仕方ない先に飯にするか」
独り身の期間が長かった分ある程度料理はできる。リーダーに言ったところそれなら食事の用意を頼まれた。ずっと二人でしてきたが保存食で済ませることが大半でそれ以外は外食という有様でせめてゆっくりできる時くらいは自炊したとのことだった。といっても出来合いのスープとパン、サラダくらいしか食べるものはないのだが。
「久しぶりに野菜を食べた気がしますね。おいしいです」
「そいつはよかった」
旨いと言ってもらえるのはいいもんだな。
「おはよう。起きてたのか」
「おはようございます。昨日はひどい目にあった…飯だ!」
食べ始めたてしばらくたった頃、リーダーとワイズマンが起きてきた。起き掛けは寝ぼけていることもあって色々な姿が見られて楽しい。習慣からかきっちりと服装を整えたリーダーと着崩れたワイズマンの対比は面白い。
食べ終えた後、届いた手紙を確認していた。その中にギルドの印が入った封筒があり。内容は最近活動が活発化した火山にドラゴンの出現の兆候あり、特に貴殿たちに調査を依頼したいというものだった。
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