第11話 装備

「またせたな、武器と防具だ」

「とりあえず既製品を調節しただけじゃが、今のお前さんにはぴったりなはずじゃ」

 店を見初めてしばらくたった頃、親父さんとリーダーがチェストプレートとロングソードをもって店の奥から出てきた。


「うけとれ山本、支払いは今後の依頼報酬から引くからな、さすがに高い」

「ありがとう、一応聞いておくが値段は?」

「銀一枚と銅三十」

 通貨の価値は銅百枚で銀一枚、銀十枚で金一枚といったところで大体のものは銅貨で取引されるが質の良いとされるものは銀、高級品は金貨で取引される。

 ちなみにランプは出所不明できれいな見た目ではあったが死体から盗まれたといわれても仕方のないものであった。

 

「それとほら俺のお古だが服と靴だ。奥で着替えてきな、元の服はそこいらに置いといてくれ親父が調べたいんだとよ」

 いわれる通り、着替えてみたが。生地が厚く特にズボンは革を使い噛みつかれたくらいでは穴の開きそうにない頑丈さだった。


「さて、必要なものは全部揃った。これから旧市街へ向かう」

「気を付けて、行って来いよ。得意先に死んで貰っちゃ困る」

「はい!気を付けていってきます!」

「元気でな」

 こうして装備を整えた俺たちは旧市街への第一歩を踏み出した。


「リーダー、私には何かないの?」

「今度、新しいナイフ買ってやるから勘弁してくれ」

「やった!」

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