第9話 準備

 ランプやロウソク、マッチ。獣油、植物油。おおよそ明りになるものは何でもありそうな店の前でリーダーは説明を始めた。


「まずは一番重要な光源からだな。魔術とランプがある」

 

 一つは魔力を使う魔術。もう一つはランプ。


 魔術は手に持たなくてもいいが体力、精神の消耗が激しい。

 ランプは腰に下げるなどして、油の消耗を気にする必要はある。


「まぁ一長一短だな、駆け出しは魔術使いながら戦うなんてことはまず出来ることじゃない、俺はランプをお勧めする。なぁ、親父ランプ一つと油三つくれ」

「へい、見たところ駆け出し連れてるみたいだな。ふむ、贈り物だ。銅一つ負けて銅貨三つ」

「ありがとう、それ銅貨三つ」

「毎度」

「受け取れ山本お前の分だ」

 リーダーは今買ったばかりのランプを嬉しそうに俺に寄越した。


「ありがとう」

「いいさ、新入りへの祝いだ。受け取れ」


その後、干し肉や水、パンなどの食料品。包帯、止血剤などの医療品を買い込んだ。


「宿営道具はいらない。となれば次は防具と武器…」

「親父さんとこですね!」

「やっぱりそうなるよな…」

「なにかあるのか?」

「何かないとなれば嘘になるな、苦手なだけとも言えるが」

「行きますよ」

「…あってみればわかる」

 ルナを先頭に俺たちはルナとリーダーが親父と慕う人物の元へ向かった。

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