第4話 脱出
俺達は施設から脱出した。
外は広葉樹林が広がる、温暖な気候の森林であった。遺跡はその森のなかにひっそりと隠れるように建っていた。
「一旦キャンプに戻るわ。リーダーは…置いていくか」
「待て!ここに居るぞ!」
「ちっ、相変わらずしぶといですね」
「分かりきったことだろう?その舌打ちはなんだ!」
「煩いですよ。とりあえず行きますか」
行く当てもない俺は彼女らのキャンプに同行することにした。
キャンプとして使っているという小屋には無線らしい装置、簡易ベット2つと遺跡探検に使うであろう備品棚があるだけだった。
「さて、どうしましょうか?成果が彼ひとりじゃ雇い主も納得しませんよ」
「いや、施設の地図も手に入れた。彼の知りえる情報と照らし合わせればあの施設がなんの目的で作られらたか分かるはずだ」
「それならば、良いですが…問題は彼をどうやってギルドまでもっていくかですよ。彼は話せば別ですが、見た目が魔物では誰も話を聞いてくれないでしょうね」
事情がわからないし、ましてや眠っている間に変わってしまった世界のことだが。自分のことを勝手に決められるの何か嫌な気分だな。
「なぁ、俺を抜きに話すのはいいんだが相談くらいはしてくれ。さすがに自分の処遇を勝手に決められるのはいい気分じゃない」
「すみません」
「いやいいんだ、事情も話からない奴が口をはさんでも仕方ないだろしな、まぁ意見位は聞いてほしいだけだ。それと、俺を運ぶ方法だが死体として運ぶのはどうだ?禁制品を死体として運んだことが何回かある」
「そうかそれならいけるかもしれないな!」
「死体なら成果の証明のために持ち込むなら文句をつける奴もいないでしょうしね」
かくして俺は死体として荷馬車の後ろで藁束にくるまれて町まで運ばれる算段になった。振動と擦れる藁で結構きつい、早くついてくれ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます