第2話 覚醒

「ここは?」

思い出せない。確か、敵に腹をぶち抜かれてそれで…。


 そうだ!あの国立研究所から来たとかいう学者に台に縛り付けられて、薬を打たれて。確か、脳を使うから頭は丁寧に扱えとかいっていた気がする。


 まさか、人造兵士計画とやらは本当だったのか!ということは俺は…


おめでとう二百番。君はめざめた、故に君は敵兵を殺さなければならない。

うるさい

国は敵を殺すためだけに君にもう一度肉体を与えたのだ、その恩に報いるため。戦うのだ。

黙れ!

さあ、殺せ。敵を殺せ。殺せ!

くそっ!


 思わず脳内に響き渡る幻聴に対して耐え切れずに拳を振り上げた、その拳はカプセルのガラスをたたき割り、大きな音を立てた。


「そこにだれかいるの?」

 彼女は先ほどから発生していた音を調査するため、いくつかのカプセルを調べた後、唐突に鳴ったガラスの割れる音がした方に向かっていた。

 

 まずい、足音がした。

 誰かいるのか?俺以外に誰か、もしかすると軍の連中が俺をどうにかしようとしているのかも知れない。殺されてたまるか!逃げなければ。


周囲を警戒しつつ歩いていて彼女は唐突に身を起こし逃げようと立った者を見つけた。

「そこの奴、止まりなさい!」


女?軍には流石に女は居なかった。ということは軍の者ではないのか?そうであれば何か情報が得られるかもしれない。


そう思った彼は抵抗の意思がないことを知らせるため両膝を地に着き、頭に両腕を回し。彼女が近寄って来るのを待った。


「驚いた、降伏するだけの意思のあるマシンゾンビがいるとは」


マシンゾンビ?俺はそんなものにされたのか。


「喋れるの?」

「ああ」

「よかった。喋れるなら何か色々と聞けそうね」


どうやら彼女は俺に何か聞きたいらしい。

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