幕間⑪ 災害への序章(前)


 ライが本腰を入れ修行を始めてから二ヶ月ほど過ぎた頃………ペトランズ大陸側にも動きが起こっていた。



 【第二回ペトランズ大陸会議】



 魔王アムド・イステンティクスはライの奮闘により退けられた。しかし、公式の場にての発表は『勇者達の活躍により魔王の脅威は去った』という実は漠然としたものだった。


 各国はそれぞれ情報を持ってはいる。しかし、事の詳細に関わる程のものはシウト国と神聖国エクレトルのみに限定される。

 シウト国はマリアンヌ、神聖国はアスラバルスという直接関与のあった者を擁しているが故、当然ではあるのだが……。


 とはいえ、そんな状態では大国も今後の対応に温度差を抱えることになる。それを解消し連携を確かめる為、大国五国が集まり再びの会議を開くことになったのだ。



 因みに今回、小国の参加は無い。唯一『魔王討伐作戦』に参加した小国トゥルク教国は、力不足を理由に“ 大陸会議の決定に従う ”と使いを寄越しただけだった。



「ふむ……実質の『大国会議』になってしまった訳か……。今回も会議の場となるエクレトル……その代表たる私が議長とさせて頂く訳だが、異論のある者は挙手を願う」


 挙手無し……二度目の会議も自国の利を排する『神聖国家エクレトル』で開催されることを各国は同意している。議長はアスラバルス、この提案に反対する者は居ない。


「では、改めて議長として宣言しよう。この場は皆、対等として発言を願う。諍いも優劣も極力忘れての、ロウド世界の為の話し合いだと理解して欲しい」


 本来は小国が存在する場合の口上だが、大国間対立もあるので念を押すアスラバルス。建前としてではあるものの代表者全員が頷いている。

 前回同様、参加国は代表以外にも護衛の同行が許可され待機している状態だ。



「承諾恐れ入る。今回は複数議題が申請されているが、先ずは全ての国から申請されている議題──魔王討伐についてから取り上げたいと思う」


 古の魔王───『アムド・イステンティクス』


 古代魔法王国の王族にして、魔法王国の壊滅原因となった存在……。直接の原因は【神の裁き】ではあるが、その道理を無視した行いで神を決断に踏み切らせた男。


「魔王は退けられた。と言っても、取り敢えずではあるが……」


 アスラバルスの言葉に各国代表は然したる反応を見せない。


「それはエクレトルの発表で大国全部が把握してる。詳細は無いのか、アスラバルスよ?」


 トォン国の代表は国王マニシド、そして護衛には王直属親衛隊ブライが同行している。


「詳細を伝えるに当たり幾つか貴公らの知らぬ情報が加わる。私に答えられぬものがある場合は、沈黙にて返すので察せられよ」

「わかったぜ」

「では説明を始めよう」


 アスラバルスが語るのは要点のみ。トシューラ・アステの両国が派遣した艦隊を潰滅させた存在と、討伐目標だった魔王は別存在だったこと。そして、その存在同士が対峙し討伐すべき魔王が撃退されたこと……以上の二つである。


「………それは魔王二体が勝手に争った、ということ?」


 トシューラ代表は女王パイスベル自らが足を運んでいる。護衛は漆黒の鎧を纏った騎士だ。


「いや……魔王級存在には違いないが、片方は【勇者】だ。それは私が確認している」

「勇者?それでは私達の国の艦隊を潰滅させたのはどちら?」

「勇者だ。無論、理由があるようだが……」



 魔王アムドを撃退した後、海王の背の上にてメトラペトラとアスラバルスはある決めごとをした。



『トシューラ艦隊を沈めたのは魔王級存在で、魔王アムドに討たれ果てた』ことにしよう、と。



 だが、あの時……目を覚ましたライはそれを丁重に断っていた。

 それは、魔王を撃退したのが魔王では人々の希望が奪われるという理由からのものだった……。



 手柄は【ロウドの盾】のものにして欲しい……その言葉にアスラバルスは首を振った。しかし、ライはこう付け加え述べたのである。


『俺は家族を傷付けた奴等を赦せないんですよ。それに、自分の手を血で染めた事実からも逃げたくはない』


 メトラペトラは盛大に溜め息を吐いていたが、ライは頑として聞かなかった。

 唯一シウト国に迷惑が掛かることを懸念していたライは、トシューラに対する『言伝て』をクローディアに伝えて欲しいと頼んでいた。 


「………理由があっても赦されることではないわね。一体何処の勇者かしら?」

「我がシウト国ですよ、パイスベル女王」


 凛とした声で答えたのはシウト国女王クローディアだ。同行者は白い鎧の騎士然とした男。

 今回マリアンヌは別に席を用意して貰っており、クリスティーナと並び座っている。


「……その勇者をトシューラ国に渡しなさい、クローディア女王」

「お断り致します」

「我が国に牙を剥いた者を庇い立てすると?しかも沈んだ艦隊はアステとの連合……二大国を敵に回す意味を理解しているのかしら?」


 元から鋭い目付きを更に細めたパイスベル。女王の風格と言える威圧をクローディアに向ける。

 だが、当のクローディアは涼しげな様子で笑顔を向けた。中々の胆力だ。


「パイスベル女王は勘違いなさっておりますね。その者は現在、シウト国には居りません。旅に出ていて所在不明です」

「……隠し立てしているのではないの?そうでないならば名前を明かしなさい」

「それもお断り致します」

「小娘……」


 ここで盛大な溜め息を吐いたクローディアは、笑顔を消しパイスベルをねめつける。


「仕方ありませんね……良くお聞きなさい、パイスベル女王。その勇者は我が国に入り込んだトシューラの賊に拐われた者なのです」

「……何?」

「かつて同盟を結び支援まで行った我が国に賊が入り込んだのは、そちらの落度の筈ですが?ましてやその勇者は、トシューラ国の者に命を奪われかけた上で拐われた。そうそう……勇者から言伝てを預かっています。『あの時の借りはこんなものでは済まないぞ?火の粉を撒き散らすつもりなら覚悟しておけ』だそうですよ?」

「……………」

「それでも我が国に居るならば宥めもしましょう。しかし、国外に居るのであればどうしようも無い。その原因はトシューラにある………つまり、たとえトシューラ国に牙を剥いてもそれはシウト国が関与している訳ではない」


 敢えて口にはしないが、クローディアはパイスベルを脅しているのである。トシューラ国から来たのは賊ではなく、送り込まれた侵略者であることを──勇者はそれら全てを理解した上でトシューラ国を敵と認識しているのだ、と。


「名前を明かさぬのは、シウト国の怠慢でその者の不幸を防げなかったことへの詫び。お分かりですか?」

「……まあ良いわ。でもシウト国の外に居るならば何があっても関知しないわね?」

「そうですね。但し、国を跡形なく消し滅ぼせる様な魔王を退ける勇者……それをどうにか出来るなら、ですが」


 互いに睨み合うクローディアとパイスベル。ライの思惑とは別に、クローディアはライを見限ることが出来ずトシューラへの憤慨を見せる。

 クローディアからしても大恩ある存在……それは、トシューラとの対峙をいとわぬ程のものだと理解しているのだ。



 だが、流石に見兼ねたアスラバルスは仲裁に入る。


「この場の議題から逸脱しているならば、その話は終わりにして頂こう。一つだけ……私はその勇者と話をしたが、悪しき存在ではない。故に脅威からは除外してある」

「………。それで、魔王は『討たれた』と明言はしない理由は?」

「確証が無い。通常ならば再起不能の可能性の方が高い。しかし、何せ古の魔王は神格魔法に通ずる。姿が消えた後、海を探索したが姿は無かった。つまり……」


 転移で逃げた……ということになる。瀕死とはいえ転移を使用出来るならば、それだけで脅威と言えた。


「ということは、魔王の方はまだ脅威認定なんだね?」


 嬉しそうに声を上げたのはアステ国王子・クラウド。前回同様に供を一切率いていない。


 魔王が生きているならば利用してトシューラを疲弊させられる……そんな思惑を持つクラウドだが、代表達はそれに気付く訳もない。



「……そうだ。しかし、先程も言った様に魔王は瀕死だろう。つまり討ち取るべきは今とも言えるのだ。よって今後、各国にはその捜索も含めた行動を願いたい」


 トォン国王・マニシドは蓄えた髭を撫でながら片眉を上げる。


「それは構わねぇが……何か危惧することがあるんだな?」

「うむ……ニルトハイムに出現した魔王は三体。だが、魔法王国時代のアムドには多くの臣下が居た筈……」

「つまり、他にも魔王級が居る可能性があるのですね?」

「そういうことだ、クローディア殿」


 創生魔法に特化した魔王が居た場合、アムドは復活を果たす可能性が高い。既に解放されているか、まだ封印されたままかは判らないが、アムドにはそんな臣下が居ても不思議ではないだろう。


「……やれやれ。全く面倒だな、古の魔王ってのはよ」


 再び片眉を吊り上げ肩を竦めるマニシド。本心から呆れている様だ。


「うむ。そこで今回の議題の一つだ。越境権限を持つ組織……勝手に【ロウドの盾】という名を付けさせて貰ったが、対脅威存在組織を改めて提言する。既に参加している者を含め、その組織に有事限定での越境権限を認めて貰いたい」


 この言葉に食い付いたのはクラウドだった。


「越境権限……有事なら越境しても良いの?」

「勿論、各国の許可を貰えればの話ではあるが……」

「はいは~い!じゃあ僕も【ロウドの盾】に参加したいんだけど……」

「それは構わないが、今からもう一度要項を確認してからだな。各国はそれを聞いた上で判断して貰いたい」


 アスラバルスが手を翳すと、各国代表の眼前に光のパネルが出現する。


「そこに書かれていることを確認して貰いたい。まず【ロウドの盾】に参加することは自由。但し、参加した場合【呪縛】を掛けさせて貰うのが前提となる」

「呪縛……具体的にはどうすんだ、アスラバルス?」

「【呪縛魔導具】を使用する。エクレトル謹製の腕輪型呪縛魔導具……普段は取り外しが自在だが、越境する際は必ず身に付けることにするのだ」

「そりゃどんなモンよ?」

「越境の際、真意が侵略・情報収集という目的である場合は【呪縛】が発動し行動不能に陥る。もし腕輪をしていない場合は、規約違反の『敵』として排除されて然るべきだろう」

「……はっ!企て防止かよ。しっかりしてやがるな」

「勿論、越境は許可を得た国のみを対象とするが、それでも越境権限は何処かの利に成り兼ねない。故の防止策だ。【ロウドの盾】には行動の際、必ず身に付けて貰う」


 マニシドはチラリとパイスベルを見てほくそ笑む。これはトシューラにとって良からぬ流れ……当然マニシドは真っ先にこの提案に乗り、パイスベルの立場を狭めに走る。


「俺はその条件に乗ったぜ?侵略させたり情報を奪われる心配も無い助力なんて、理想そのものじゃねぇか」

「了承、感謝する」

「私も了承します。元より脅威に対して国境は意味を為しませんから憂慮しておりましたし」


 続いたのはクローディア。申し合わせをしていた訳ではないが、マニシドの思惑に通ずるところがあったらしい。


「なら、ウチも参加するよ。アステ国は魔王が出現した時点で真っ先に被害を受けてるからね。確かに越境権限を持つ反面、陰謀を防げるなら願ったり叶ったりだし」


 クラウドは明らかにパイスベルへの嫌がらせ目的だが、それに気付く者は無い。


「……残るはトシューラだが、どうする?即座に決めぬでも良いのだが………」

「………いえ。承認しましょう。魔王相手の場合、他国の協力は確かに欲しい。でも、確認したいのだけど……」

「何か問題が?」

「その腕輪に関して聞きたいことがあるわね」


 パイスベルはこの時点で不参加という道を選べない。脅威を自らの国のみで排除出来るなどという傲慢は、シウト国の勇者マーナに打ち砕かれていた。

 ベリドは飽くまで協力関係であって魔王と対峙することは無い。それは『双子の魔王』出現時に嫌と言う程理解させられている。


 現在トシューラ国が所有する戦力を考えれば、この枠組みは利になる部分もあると言える。


 勿論、強欲なトシューラ女王はそれだけで済ませる気は無い。情報を引き出して僅かでも有利に……そう思索していた。


「腕輪偽造の心配は?」

「我がエクレトルの技術を盗むことはまず出来まい。外見を似せても機能までは写せぬ。例えば……」


 アスラバルスは懐から取り出したのは二つの腕輪を卓に並べる。


「腕輪同士は同期していて近くに存在すると魔石の色を法則性無く変化、加えて数字が表示される。二人ならば二といった具合にな。当然、偽物を着けていればその変化は起こらない。加えて各国へ入国確認用の魔導具を配置して貰う予定だ」

「成る程……。では、もう一つ……他国を優遇し、トシューラだけに呪縛の腕輪を渡すという可能性は?」

「そればかりは信用して貰うしかない。エクレトルはこれまで他国への過剰な肩入れは一切行っていない。それが信用に足ると自負しているのだが」

「……………」


 パイスベルは分かっていて質問をしている。その間も常に思考を巡らせているのだ。

 だが結局、大した案も浮かばず妥協に落ち着いた。後は腕輪を受け取ってから判断し“ 試せば ”良い……狡猾な女王らしき判断である。


「まあ良いでしょう……我が国だけが足並みを揃えぬのでは、有事の際に更なる被害を拡げることになる」

「英断、感謝する。これで越境権限は了承され【ロウドの盾】は更なる活躍の場を得るだろう。拠点が必要な場合はエクレトルのこの場を提供するが、通常は自国の役割を優先して貰って良いと思われる。有事の際は各々の判断で行動されたし。詳細は後に」

「それじゃあ組織の意味が無いんじゃないの?」

「アステ王子の意見ももっともだが、国家間を超えた枠組みの先駆けと考えて貰いたい。自国と他国の諍いが消えたその時こそ、本物の意味で【ロウドの盾】となることを願う」


 会議室内に響く一同よりの承認の拍手──。幾分の探り合いはあったが概ね障害無く話は進んだと言える。


「これにて始めの議題を終了とする。続いての議題だが………あながち先の議題と無関係ではない」

「なんだぁ?今度は一体何の議題だ、アスラバルス?」

「魔の海域の領海権について、だ。あの海にはもう海王は存在しない」


 この情報にマニシド、そしてクラウドまでもが勢い良く立ち上がる。


「う、嘘だろ?か、海王がいない?」

「嘘ではない。海王は【魔の海域】を離れ南の安住の地へと去った」

「去った?それって一体……?」


 クラウドは確かに神具を打ち込んだ。命を落としたというならば納得するのだが、去ったということは無事を意味しているのだ。


「先に議題に出た勇者が連れ立ったのだよ。海王はもう脅威認定から離れ穏やかな存在に変わった」


 時にして千年もの間、如何なる存在もその領域に踏み込むことを許さなかった存在・海王。それが、こうもあっさりと【魔の海域】から姿を消したのだ。その驚愕の事態に、パイスベルですら目を見開き固まっている。


「だ、だが、どうやった?あの海王だぞ?」


 最早威厳などかなぐり捨てたマニシドは、ただただ好奇心で問い質す。


「………彼の勇者は海王を敵ではなく家族として扱った、それだけのことだ。全て家族としての行動……傷付けた相手から護る為に艦隊を排除し、危険な【魔の海域】から安全な地へと誘った。魔王と対峙した理由も半分はそれだろう」

「魔物を家族に?狂気の沙汰としか思えないわね……」

「私はそうは思わぬよ。直接語った私からすれば『あまりに人離れしているが故に、あまりに人間染みている』と感じた」


 並の人間ならば保身や打算で諦めること……それすら手放せずにいるが故の人間らしさ。例え種族が違えど、大切と認識したものを護る行為は強大な魔王にさえ挑むに至った。

 その辛さに涙しても退かず身を削る姿を、アスラバルスは確かに目の当たりにしたのだ 。


「……まあ、それを理解出来る者は稀だろう。だが、彼の勇者は間違いなく悪ではないと私は判断した。その為に脅威認定からは外したことは先に述べたが、トシューラ国が彼の勇者と敵対する場合どちらにも肩入れはせぬと約束しよう」


 これもライから告げられていたことだった。トシューラ国を敵に回すのは今更の話だが、エクレトルに迷惑を掛けるのは忍びない。飽くまでトシューラと対峙するのはライ個人、そう誘導して欲しいと頼んだのである。


 アスラバルスがその気配りに気付かぬ訳もなく、当然頼られれば陰ながら手助けをしようと決めている。


「……話が逸れたな。ともかく海王は去った。だが、領海領有権を主張する国が存在する」


 マニシドは再び立ち上がり机を叩く。


「何だそりゃあ?【魔の海域】に隣接すんのはウチかアステ国だろ?どういうこった、そりゃあ?」

「そうだよ……他に領海を主張する国なんて」

「いや。確かに存在するのだ。そしてエクレトルは、その国を長きに渡り見て見ぬ振りをしていた。人同士の争いであるが故に関わらなかったのだ。だが……」


 今は魔王台頭の時代であり少しでも戦力が必要……。ならば国として存在を認めるべきであり、そうである以上領海主張の権利も当然だろうとアスラバルスは告げた。


「実は、この議題はその国からの要望議題でもある。代表者は既に控え室にて待っているのだ。貴公等にこの会議への参加を承認願えるならば、だが……」


 次々に驚愕させられる大陸会議。皆が混乱する中、颯爽と手を上げたのはクローディアだ。


「承認致します。私達シウトはその国とも縁がありますので……」

「……シウト国と?どういう事だ?」

「それもこの場にて説明して下さるでしょう、マニシド王」

「……面白れぇ。良いぜ?承認してやる」


 これに続いたのはクラウドである。当事者であるアステ王子には既に察しが付いている様だ。


「なら、ウチも承認するよ。一体何処がそんな主張を……全く……」


 クラウドのわざとらしい言い回しに鋭い視線を向けたパイスベル。しかし、クラウドはへらへらと笑うだけだった。


「トシューラ国は如何する……?」

「……………」

「沈黙は承認と取る。どちらにせよ、会議参加者より多数決による再考要望があれば応えねばならぬが……」


 パイスベルは無言を貫いている。一方、同様の当事者である筈のクラウドは実に愉しそうだ。


(予想外に盛り上がって来た!良いよ、良いよ~?)


「では、承認と判断し『カジーム国』の会議参加を容認とする。マレスフィ……あの者らを此処へ」

「了解しました」


 金髪を短く切った女天使兵マレスフィは、アスラバルスの求めに応じ隣室へと向かう。


 間も無く現れたのは三人の人物──。


 白髪混じりの金の長髪で五十代手前に見える男、やはり金髪で浅褐色の肌をした少女、髪の色が違い屈強な肉体を持つ『黒い大剣』を担いだ青年……。


 代表らしき長髪の男は、恭しく頭を下げ自己紹介を始める。


「私はカジーム国から来たリドリー・マオナーズと申す者です」

「カジーム国だぁ?……聞いたこと無ぇな」

「では、【魔王国】とでも言えばお分かりですかな?」

「んなっ!な、何だと!?」


 魔王国の来訪……そして歴史に隠された『カジーム国』の真実が、遂に世界に明かされる。




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