第四部 第七章 第十八話 再会の約束を……。
「それにしてもメトラ師匠、本当に助かりました」
「全く……何じゃ
ルーダからエニーを救出する為、ライはメトラペトラに助力を求めた。
その際、大聖霊紋章を使った念話を試みる中で、ライは意思を言葉でなく感情として送ったのだ。
『助けて欲しい』というライの感情に気付いたメトラペトラは、即座に気配を遮断……そのままライ達の様子を確認しに来たのである。
「コイツ、表層ですが思念を読むんですよ。それで仕方無く……」
「世話の掛かる弟子じゃな。しかし、今回は助けを求めた分進歩したのかも知れんがのぅ?」
「でも師匠、途中で異常には気付いたでしょう?」
「まあ……それはの?」
何せ戦闘中にライの纏装が完全に切れたのだ。それはメトラペトラが操作を担っていたスランディ島の『メトラペトラの分身』も消失したことを意味する。気付かない訳がない。
「………分身いきなり消えちゃったから、帰ったらトウカに謝らないと」
「うぅむ……お主はともかく、ワシは分身を本体と偽って居ったからのぉ」
「師匠は気まぐれニャンコなんですから、適当にはぐらかして良いんじゃないですか?」
「む?まあ、その手で行くとするかの?」
その後、メトラペトラにそれまでの経緯を説明したライとクレニエス。メトラペトラは唸っている。
「魔王軍の幹部、しかも自然派生の魔王かぇ?本当にお主はトラブル体質じゃな……」
「今回は流石に自覚させられましたよ……分身した三ヶ所全部何かしらありましたから」
「魔獣に魔王、それに妖精と魔女か……」
「まあ、その分の出会いもありましたけどね?リーファムさんやウィンディ、猫神の巫女達やアクト村、それに……」
視線をクレニエスに向けたライはホッとした顔で笑った。
「あのまま戦ったら、かなりヤバかったよ……クレニエス」
剣だけの戦いでは負けていた。ライはそう自覚している。
纏装を封じられてもライの身体能力は相当に高い。また、回復力もあるので即死はまず無い。
だがそれでも、纏装無しでは覇王纏衣を使うクレニエスの剣技には確実に圧倒されるだろう。しかも、クレニエスはまだ奥の手を隠しているのは明らかだった。
対するライは天網斬りをまだ使い熟せていない。性格上、クレニエスに致命傷を与える様な真似は出来なかっただろう。
「………勝負はお預けだな、ライ」
「再戦は出来れば御免被りたいね。剣技の大切さも改めて自覚したよ。ところで、聞きたいんだけど……」
「……何だ?」
「あの【言霊】ってやつは制限があるんだろ?」
「……ああ。同時に三つまでしか発動出来ない。それに生命の維持に関わるものには干渉出来ない」
「成る程、それでか……納得した」
ライが考えていたのは【言霊】を使い呼吸を止めたり、心臓を止めたりは出来なかったのか?という疑問だ。だが、それは生命活動に支障がある為に不可能だったらしい。
同様に思考を止めることも生命維持に反するということに当たるそうだ。
「それでもヤバイ力だな、ソレ……」
「……だから封じている。普段気を抜くと言霊が発動するから、あまり喋れない」
「う~ん……存在特性は強い意思でのみ制御が可能だって専門家から聞いたぞ?」
「……つまり、封じるより先に己を鍛えろということか。ならば、きっと……」
ライと関わりの中、クレニエスの心にのし掛かっていた迷いや不安は取り払われた。特にイシェルド国境で聞いたボナートの本心は、クレニエスの心に大きな安らぎを与えたのだ。ならばきっと、存在特性の制御が身に付く日も近い。
そんな会話をする内にグレス、ボナートの二人がクレニエスを捜しに現れた。グレスは一瞬ライを警戒したが、ボナートから説明は受けていたらしく礼に則り深く頭を下げた。
「事情は聞いた。互いの立場はともかく、お前に救われたことには変わりない。この通り、感謝する」
「……まあ、これも一つの縁だから。それより……二人には改めて聞いて貰いたいことと、約束して欲しいことがある」
ルーダに関する事実はライよりクレニエスが語る方が真実味がある。メルマー家の歴史の陰に隠された事実に、グレス、ボナートの両名は衝撃を受けた。
「クッ……!コイツのせいで父や母の人生が……」
「魔王め……今すぐ成敗してやる!」
スラリと刃を抜いたグレスに対しルーダは反応すらしない。
「何かおかしくないですか、師匠?」
「うむ……先刻から大人しすぎるのう」
そして閃くグレスの刃……だが、落とされたルーダの首からは血が流れない。転がったら頭はみるみる干からび、やがて黒き洞の双眸をもつ
「……こ、こんなものなのか、魔王の最後というのは?」
余りの呆気なさに拍子抜けしたグレス。ボナートとクレニエスも互いの顔を確認している。
「これは傀儡じゃ!警戒せよ!本体は別に居るぞよ!」
「傀儡?じゃあ、本体は……」
辺りを警戒する中、グレスの背後に突然杖が出現した。
それはルーダが持っていたあの杖……龍を模した金属製の杖だ。
「危ない!兄さん!」
位置的にそれが見えたのがクレニエスだけだったのもまた運命か……。クレニエスは無意識に飛び出しグレスを突き飛ばしていた。
「がはっ!?」
「ク、クレニエス━━━!?」
杖の先はグレスと入れ替わったクレニエスの脇腹を貫く……。
この瞬間、ライの髪がザワリと逆立ち半精霊体に変化。即座に杖を引き抜くと上空へと飛翔した。メトラペトラもこれに続く。
「くっ!そうか!だから違和感があったのか!」
「どういうことじゃ、ライよ?」
「この杖がルーダなんですよ!杖が人を操り魔王として振る舞っていた」
「まさか……魔法王国時代の……いや、神の遺産かぇ?」
メトラペトラすら正体を見破れなかったその杖は、ライの腕の中で暴れている。
ライの思考拡大に混乱しなかったのは杖……つまり、肉体が無いからこそ負担に苛まれなかったのだろう。
思考を読む念話は杖自体に付加された機能の一つと見るべきだ。
クレニエスの言霊が効かなかったのも、そもそも耳を持っていないから……。
そしてルーダが語った“ 封じられた ”は、操る肉体側ではなく本体である杖のことに違いない。
『ハッハッハ!良くぞ見破った!
「テメェ……へし折ってやる!」
『無駄だ、無駄だ!我は不変!この世の力では破壊は出来ぬわ』
「まさか事象神具……しかもラール神鋼かぇ?じゃが、意思ある事象神具など……」
『世界に選ばれし存在が我よ。人に憑き魔王とせしめる……それこそが我が力!』
神の創造物・事象神具。だが……メトラペトラですら知らないそれは、何時如何なる時に創造されたのか判らない。下手をすれば、ロウド世界の歴史の中に存在する魔王の多くはこの杖に因るものの可能性すらあった。
「不味いぞよ、ライよ!これを破壊することは不可能じゃ!封印を……」
「いや……破壊します!たとえ命を削ろうと、コイツはこの世界に有っちゃ駄目なんだ!」
「また無理をする気かぇ?いい加減に……」
「天網斬りでも無理ですか?」
「事象神具はそのものが存在特性と同等かそれ以上……力は弱くとも天網斬りの使い手より『格』が上の場合、天網斬りは恐らく通じぬ」
「なら、あれを……魔王アムドの時に感覚は掴んだ」
メトラペトラに頼み転移をされぬよう結界を張って貰ったライは、胸の大聖霊紋章に力を集中。力を胸から両手に集めると、光輝く籠手が生まれた。
「……それが以前言っとった『大聖霊の力の凝縮』かぇ?」
「ええ……以前よりかなり調整してますけどね。何せ意識を持っていかれちゃ話にならない。でも大聖霊が神の分身なら、凝縮すれば一瞬でも神に近付けるでしょ?」
「……無理はするでないぞよ?約束じゃぞ?」
「わかってます」
更に意識を集中し杖を力の限り握り締めたライは、杖に向かって笑い掛けた。
「さあ……我慢比べしようぜ、魔王さんよ?」
『無駄な足掻きよ。人から生まれた者に神の力は打ち破れぬ』
「なら……試してやるよ!」
籠手の輝きを増し杖を握り締め続けるライ……。ルーダの声は始め余裕を見せていたが、しばらくすると異変を感じ激しく暴れ始めた。
『ぐあぁぁっ!熱いっ!何故だ!?なぜ我に熱さ……感覚などが……!?』
「どう……した?余裕無さそうじゃ…ないか……」
『き、きき貴様!人じゃないな?』
「今は……半精霊……だな」
『人が半精霊の領域にだと?ぐぎゃあぁぁ!熱い!?痛い!ヤメロォ!?』
杖から迸る電撃や熱は全てメトラペトラが防いでいる。ライは師匠に感謝しつつ力を振り絞り、最後の仕上げに踏み出した。
「お前の……その痛みの何十倍も、何百倍も、恐らく何千倍も……人は苦しんだ!お前は……それを感じながら……こ、後悔しろ!そして貴様は……」
【滅びろ】
メトラペトラはその瞬間、確かにそれを見た。それは本当にほんの一瞬だが、確かに神域に踏み込んだ姿……。
「……
確かに【神衣】は神域の力……だが、ライは未だ己の存在特性を理解すらしていない。
しかし、確かにそれは成ったのだ。【神衣】の力は杖に大きな亀裂を生む。
『ぎ、きゃあぁぁっ!我が!我が滅びる!何故だぁ!?』
「人と……寄り添ったなら……お前とも仲良くなれた……かもな?だが……」
害を為すならばこの世界にて不要。ライはハッキリとそう宣言した。
『……嫌だぁ!滅び……る……のは……い……ゃ……』
ルーダの言葉がか細く消え入ると同時に、杖は見事砕け散った。
恐らく魔王として最長の時を生きたルーダ……その最後の瞬間である。
「よくぞその域まで……お主には本当に驚かされるわ」
「ハハハ……メトラ師匠あって……こそ……の……」
「ライ!しっかりせい!」
結界を解いたメトラペトラは落下するライを【心移鏡】で確保し地上に移動させた。丁度その脇にはクレニエスが倒れている。
「……やった……のか、ライ?」
「ハァ、ハァ……。あ、ああ……これで……もう、メルマー家のような悲劇は……起こらない」
「……そうか……ありがとう」
「……怪我はどうだ?……クレニエス」
降りてきたメトラペトラは、横たわるライの胸に着地しクレニエスの傷を窺っている。
「……メトラ師匠?」
「これは不味い……」
「何が……あったんです?」
「……呪詛じゃ。傷は然程では無いが身体を蝕む呪詛が命を食らおうとしている。持って一日じゃな……」
ライは無理に身体を起こしクレニエスに浄化魔法を使用した。
しかし……。
「くっ!……は、弾かれた!」
「……あの杖は事象神具。つまり呪いも神の呪いに近い。並の力では解呪は不可能じゃ」
「……な、なら、
「……出来るかぇ?先程の域より難しいそれを?」
「……………」
無力感に震えるライ。その手に触れてクレニエスは笑う。
「……もう良いさ。俺はお前と知り合えて……多くのものを得られた。諦めて……いたことも……取り……戻せた」
見守るグレスとボナートに笑い掛けたクレニエスは、目を閉じる。
「……心残りは……エニー……だ。頼めるか、兄……さん」
「駄目だ!お前が自分で面倒を見ろ!」
「……ハハ。キツい……な……グレス兄さん……は」
再び目を開き空を仰ぐクレニエス。昔を懐かしむように語り始めた。
「……グレス兄さんは……いつも真面目で、……ボナート兄さんはいつも……優しかった。お陰で俺は……母上が居なくても……寂しくは……無かったよ」
「ああ……これからも兄弟仲良くやっていこう、クレニエス」
「……無理だよ。俺だって……死にたく……はないが……もう」
クレニエスの様子を見ていたライは、スッと立ち上がり深呼吸を始める。
「……ライ?」
「クレニエス。約束する。お前を必ず助けてやる。だから、俺を信じられらるか?」
「……今更何を……聞く。俺が……お前を信じない訳が……無い……だろう?」
「わかった」
意識を拡大し急速に魔法式を構築する。
「……何をする気じゃ?」
「時間を止めます。止められなくても極限まで遅くする」
「……お主に出来るかぇ?」
「師匠は……?」
「ワシにも無理じゃな。時間操作は得手不得手がある。ワシの減速は長時間の維持が苦手なんじゃ」
「なら……俺がやるしかない。クレニエス……いつか解呪の力を手に入れて必ず救う。だから……今は休め」
「………無茶苦茶……だな。だが……わかった……頼む」
「また会おうぜ」
「……ああ、また……な。兄さん……エニーを……それまで頼んで良い……かな?」
「わかった。待っているぞ、クレニエス」
「早く起きろよな、弟よ」
ライは分身を十体ほど発生させ魔法を吸収。『法則矛盾』で魔力を全快にし再び三体ほどの分身を生み出した。分身体はクレニエスを取り囲むように配置し備える。
ありったけの力を再び大聖霊紋章に集め魔法式を編み上げ、分身と共に定着に務めた。
猛烈な頭痛、鼻血、そして目からも血が流れ出す。
「……ライ!もう……良い!」
「うるさい!黙ってろ!絶対に死なせない!死なせてたまるかよ!?」
「………」
やがて皮膚からも血が滲み出した時、クレニエスを半透明の黒い球体が包んだ。
「……必ず!また会おうぜ!」
甲高い金属音の様な音が響き渡ると同時に、クレニエスは動きを止めた。
ライはそれを確認しガクリと崩れ落ちる。
分身体は魔石に変化しクレニエスの周囲を回っていた。
「成功したみたいじゃな」
「何とか……。まぐれみたいなものですから、多分次は無理じゃないかな……」
「……大丈夫かぇ?」
「……正直、もうグッタリッスよ」
うつらうつらと始まったライは、そのまま大の字になって寝転がる。
「……何故……俺達を助けてくれたんだ?」
近付いて座り込んだグレスとボナート。ライがトシューラを良く思っていないということは、イシェルド国境で理解している。
だが……ライは難なく質問に答えた。
「クレニエス……友人の為だよ。俺は別にトシューラを嫌ってる訳じゃない……結構トシューラの人間とも関わりが生まれてるし。今の女王のやり方は嫌いだけど、トシューラはもっとまともになれるんじゃないか……っていうのは楽観かな?」
「………それは理想だ」
「そうかもしれない。でも、パーシンが言ってたんだよ……王家さえまともになれば、ってね」
「パーシン王子と知り合いだったのか……」
「パーシンは親友の一人だ……。そして、アンタ達はクレニエス……大事な友人の家族。だから……」
クレニエスの願いを裏切らないで欲しい……。ライはそう呟く。
「クレニエスの……願い?」
「クレニエスはアンタ達と家族としての絆を確かめたかったんだよ、きっと。だから出ていけなかった。家族がバラバラになるのが怖かったんだ」
「………クレニエス」
「王家に逆らってまで……道を通せとは言わないさ。でも、家族が助け合うことは忘れないでくれ。多分、イポリッド……アンタ達の父親はそのギリギリを選択……していた」
だから最後は無理を押して戦場に向かい『忠義を見せて』メルマー家の安泰を用意した、とライは判断している。
「後で……アンタ達の親父さんの骨を……カジーム国は多分、墓を作って………」
「お、おい……大丈夫か?」
「少し……眠いだけ……だから……師匠。エニーは……」
「良いから寝ておけ。後はワシがやっておくわ」
「スミ……マセン……」
寝息を立て始めたライを見て溜め息を吐いたメトラペトラ。グレスとボナートに向かい打ち合わせを始めた。
「エニーとやらは今戻してやる。が、先に注意をしておこうかの?」
それは、ライならばそこまで気を回すだろうというメトラペトラの配慮だ。
「まず、イシェルドへの進軍は二度とするでないぞよ?数日内に『高地小国群』はシウトと同盟し傘下に入るじゃろう。もし攻め入っても、あの国にはドレンプレルを崩壊させるだけの神具があるらしいからの?」
「そんなものが……」
「国境の罠は悪意に反応する。敵意がなければ交流は可能じゃろうがの。まあ、それは先の話と心得よ」
「……わかった」
下手に近付かなければ問題は無いということだが、既に懲りた筈……この点も大丈夫だろう。
「リーブラの収容所にはもう奴隷は居らん。それが本来の目的じゃからな……じゃから、アソコは【魔王ルーダ】に破壊されたことにせよ。その方が互いの為じゃ」
「自治領としてリーブラを返すことも出来るが……」
「今はやめた方が良いじゃろうな。既に起こった悲劇は取り消せん……人の感情は割り切れる程単純じゃ有るまい?」
「そう……だな……」
「なぁに。リーブラの民は新たな国に向かったんじゃ。そこで根付くじゃろ」
それでもいつか故郷と自由に行き来出来れば良い……眠っているライはそう考えていた。
「クレニエスはこの場から動かすことは出来ぬ。何せ限界まで時が減速しておる」
「具体的にはどれくらい……」
「さて。実質止まっているのと変わらんと思うがの……じゃから動かせん。野晒しでは目立つからこの場に部屋でも造ることじゃな」
「わかった」
「では、エニーを戻すぞよ?説明はお主達がせい。それと、ワシらのことは極力他言するな。ベリドとやらが現れる可能性があるからの?」
クレニエスの状態を見ればその術の主に興味を持つ可能性がある。これは念入りに注意を促した。
「では、ワシらはこれで去る。メルマー家の者達よ。この者を裏切るでないぞ?裏切ればワシがこの地を滅ぼすからの?」
「受けた恩が大き過ぎる。裏切れる訳もない」
「ならば良い。では、さらばじゃ」
メトラペトラが横たわるライの上に飛び乗ると《心移鏡》が平行に発生しその身体を飲み込んだ。と、同時に別の《心移鏡》からエニーが姿を現した。
「え?あ、あれ?私は……あっ!クレニエス様!」
エニーは球体に縋り付くように近寄ると何度もクレニエスに呼び掛ける。だが、返事がないことに悲しみの表情を浮かべた。
そんなエニーの肩を叩いたのは、ボナートだった……。
「クレニエスは眠っているんだ」
「眠っている?」
「正確には少し違うんだが、まあ大体はそんな感じだよ。時が来るまで起きない」
「そんな……クレニエス様……」
「良いかい、エニー。クレニエスは必ず起きる。何時になるか分からないが、待っていてやってくれないか?その方が弟も喜ぶ」
「はい……」
「良し。じゃあ、それまでは俺達がお前の面倒を見る。いや……面倒を見てくれるか?」
「はい……はい!」
「じゃあ、お礼にクレニエスの小さい時の話を聞かせるとするかな」
「本当ですか?」
「本当だ。……な、兄上?」
ボナートの問い掛けにグレスは穏やかな顔で頷いた。
「ああ。そうだな」
名門貴族メルマー家。家族の絆を強く結んだトシューラきっての有力貴族。
そんなメルマー家があるのはトシューラ国・ドレンプレル領。そこは、ライが初めてトシューラ国の領地を救った場所である……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます