第四部 第六章 第二十話 救いたがりの勇者 

 『心は乙女』だった敵将・マコアと会話を交わしたライは、その心の苦悩を理解し救うこととなった。


 しかし……その為にはこの騒動を八方丸く収めねばならない。ともなれば、頼れる師に相談するのが早いと言える。



「約束は守ってね?」

「俺は滅多なことじゃ約束を破らないよ。っと……それじゃオマケを付けてやるかな」

「オマケ……?」

「アンタは人生を賭けて願いを追い求めたんだ。で、結果として俺と偶然出会った。これも縁だから少しだけ手助けしてやるよ。今頃なら起きてるかな~……」


 自らの胸に手を当て大聖霊紋章を確認、その状態で念話を発動。


『あ~……テスト中、テスト中。酒臭ニャンコ、酒臭ニャンコ……こちら【トラブル勇者】、聞こえたら返事願います。どうぞ?』

『……ウルサイのぉ……誰が【酒臭ニャンコ】じゃ、全く………ん?【トラブル勇者】?』

『酒臭ニャンコ……聞こえませんか~?こちら【トラブル勇者】です。どうぞ?』

『……ま、まさか、ライかぇ?』

『オッス、メトラ師匠!二日ぶりッス!』


 大聖霊紋章を通した念話の相手はメトラペトラ……どうやら成功した様だ。


『……報告は聞いたぞよ、このトラブル勇者め』

『いやぁ、そんなに誉めなくても……』

『誉めとらんわ、たわけめ!……で、お主は今何処におるんじゃ?』

『まだ飯綱領でして……実はメトラ師匠にお願いがあるんですけど』

『何じゃ?……言ってみよ』

『出来れば来て欲しいんですが……』

『……お、お主……ま、まさか、他にも?』

『えへっ!問題てんこ盛り~!?』

『くっ……!本っ当にお主という奴は、目を離すと問題ばかり抱えよるわ……』

『フッフッフ。それ程でも……あるかな?』

『ニギャ~ッ!?訳分からんわ!何じゃ、その自慢げな態度は?あぁん?』


 実はライ……紋章を通じた遠距離念話が楽しくて少々飛ばし気味である。


『で、来てくれるの~?くれないの~?』

『ぐぬぬぬぬ……はぁ……良いじゃろう。しかし、ワシは飯綱領に行ったことないんじゃがのぅ?』

『え……?じゃあ転移は無理ですかね……?』

『いや……折角じゃ。紋章契約を使ってワシを召喚してみよ』

『へ?そ、そんなこと可能なんですか?』

『紋章を経由した念話が出来たのじゃ。今のお主ならば、恐らく可能じゃろう』


 ライの力が上昇すれば大聖霊側の力も元の力へと近付いてゆく。それは結果的に紋章の力も上昇し、力の幅が広がることを意味するのだ。


『よし……!じゃあ早速……』

『いや、ちぃと待つんじゃ。ワシにも準備がある……三百数えてからもう一度呼び掛けよ』

『三百……長いけど了解っす』



 メトラペトラの準備……そんなものは言わずと知れた酒。しかし、今回は少々事情が違った。

 今メトラペトラが居るのは久遠国王城……鳳舞城の天守である。


「どうしたんだい、大聖霊?」

「済まぬな、ドウゲンよ。不肖の弟子に呼ばれておる。話はまた今度じゃ」

「そう……じゃあ、お酒は持って行って良いよ」

「ホ、ホントにぃ?……。コホン、有り難く頂くぞよ」


 ドウゲンがメトラペトランを鳳舞城に呼んだのは、隠密により齎された飯綱領でのあらましを説明する為……だったのだが、その矢先の念話だった。


「大聖霊が呼ばれる事態か……。アヤツは一体何を……」

「心配は要らん、リクウよ。焦っている様子は無かったからのぅ」

「べ、別に、心配なんかしてねぇし~!」


 リクウが慌てて取り繕う様子がドウゲンのツボに入ったらしく、顔を背け震えている。


「ド、ドウゲン様?」

「いや、ゴメン。リクウが慌てている姿なんて久しぶりに見たから……」

「わ、私はあんな奴の心配なんてしておりませんぞ?ただ、修行が半端で終わっては気持ちが悪いというだけで……」

「分かったよ。大丈夫、大丈ぷっ……!あぁ!ゴメン!」

「くっ……。王まで奴の影響を……ライめ……赦すまじ!」


 珍しくニマニマと笑うドウゲンと、プルプルと震えるリクウ。メトラペトラからすればリクウの気持ちに近い為、他人事ではない。


「どうせまた、余計なことに首を突っ込んでいるのじゃろうがな……」

「大聖霊よ……奴は何故、ああもお節介なのだ?」

「さてのぅ……ワシは封印を解かれる以前を知らんからのぅ。正直、奴も良く分かっていない様じゃし……。もしかすると、大聖霊紋章のせいかも知れんがの?」

「………どういうことだ?」


 鈴型の宝物庫を起動し酒を回収したメトラペトラは、顔を洗いながらリクウの問に答えた。


「リクウよ……神は何故、全ての善人を救わぬと思う?」

「……?何の話だ?」

「神が善なる者の味方なら善人全てを救えば良かろう?何故そうせぬと思う?」

「それは……キリがないからではないか?」

「ハズレ……じゃな。真に神の座に着いたものならばそんなことは労力にもならぬよ」


 メトラペトラの問いに答えたのはドウゲンだった。


「人間が混沌としているから……かな?」

「正解じゃ。善人なんて言ったがのぅ……聖人君子など有り得んのじゃよ。それこそが人。善悪になるのは殆んどが環境に因るものじゃ。では、より善人の為に若干の善人が不幸になるのは正しいかぇ?」

「……違う、だろうね」

「……つまり不公平になるからか?大聖霊?」

「そうじゃ。善人を助け続ければ、いつかは不平等な物事を生み兼ねんのじゃよ。大体、善人に格付けなんて不可能よ。悪人の偽善が多くを救うこともあれば、善人が祈るだけでは何も解決せぬこともあるんじゃ。じゃから神は、善悪では救わない」


 つまり……善悪の区分からして曖昧なのである。 


「それとライに何の関係が?」

「神は救いたいのじゃよ、本当はの?善人も悪人も関係無く、不幸を排したい。じゃがそれは、堕落も生み出す」

「だから、それが……」

「ライは手の届く者を確認して救って居るのじゃ。善悪関係無く、ただ個人を感じて救うか否かを一々確かめてな?似ておらんか?」

「……まさか、奴が神とでも言いたいのか?」

「逆じゃよ、逆。神の力の欠片である大聖霊紋章……その力が奴をそうさせてしまっているのでは?などと思うたまでじゃよ」

「……………」


 飽くまで推論じゃ、とメトラペトラは溜め息を吐いた。


「ま、実際奴のことは良く分からんわ。もっと別の……魂に刻まれた何かがあるのかも知れんしの?」

「どちらにせよ、直る見込みは無いのだな?」

「分からんのぅ……もし本当の理由に気付けたら変わるかも知れん。じゃがそれは、悪い方向に変化しないとも言えぬのじゃ。じゃからワシは口では言っても無理には止められん……奴が悪く変わるなら、今のままで良い」

「……大聖霊は恐いのかい?」

「恐い……まさか、ワシがこんなことを恐がる日が来るとは思わなんだわ」


 メトラペトラの恐怖は失うことへの恐怖。ライが変質する恐怖。またはライが自らを省みず命を落とす恐怖……。


「じゃから、ワシは出来るだけ力になることを決めたんじゃ。という訳で、じゃ……」


 丁度そこにライの呼び掛けが……。


『師匠~。そろそろ良いですか?』

『うむ。では、念話を繋いだままの感覚でワシを手繰り寄せてみよ?』

『や、やってみます……』


 仄かに光り始めたメトラペトラ。その様子をドウゲン達は見守っている。


「トウカのことは……まあ心配居るまい、ドウゲンよ」

「大丈夫。わかってるよ」

「リクウよ……。お前が泣く程心配していた、とライにしっかと伝えておいてやるぞよ?」

「くっ……。この……」


 リクウがメトラペトラの肩を掴んだ途端、一瞬の閃光が起こり視界が白む。


 ドウゲンの視界が回復したその時──そこにメトラペトラ、そしてリクウの姿は無かった……。


「あらら……リクウまで行っちゃったのか」


 リクウはメトラペトラの転移に巻き込まれた……ドウゲンは即座にそれを理解した。


「まあ、大丈夫だろう。しかし……慌ただしいことこの上ないね、ライ君は。ある意味才能だよ」



 ドウゲンが妙な感心をしている丁度その頃……砦内のマコアの部屋にはライに喚ばれた者の姿が………。


「………。そ、そんな!召喚したら、メトラ師匠がオッサンに!」

「誰がオッサンだ!全く……師の顔も忘れたか?」

「………。そ、そんな!召喚したら、メトラ師匠がリクウ師範顔のオッサンに!」

「くっ……。こ、この馬鹿弟子め……!」

「な~んだ、本物か……。……。えっ?ほ、本物?何で?ハッ!つ、遂にリクウ師範も召喚獣に……!?『出でよ、雷おやじ!』」

「おい……誰が『雷おやじ』だ。いい加減にせんと畳むぞ?あぁん?」

「スイマセンしたぁ!」


 ライは素早く土下座を決めた為、雷おやじは怒りを納めた。


「……全く。賑やかじゃのう」

「おぉ……。メトラ師匠……オッサンじゃなくて良かった」

「……。で、何用じゃ?わざわざ呼び出した理由を聞かせよ」

「……実は、それなんですが……」


 かなり雑な説明だったが、取り敢えず要点を伝えたライ。相変わらずの無茶苦茶さに、メトラペトラとリクウは白眼である。


「………。まさか敵陣の中とはな………」

「俺はまさか、リクウ師範が憑いてくるとは思いませんでしたけどね?」

「人を悪霊みたいに言うな……それで、トウカはどうした?」


 ライは両手でマコアを指し示す。マコアは髪型だけはトウカと少し似ていた……。


「そ……そんな!……トウカがぁぁ~っ!?」

「トウカは久那岐の街です」

「おい!……じゃ、何で其奴を指し示した?」

「方角的にはアッチだよ~って……」

「……どうやら貴様は死にたいらしいな」

「ご、御免なさい……」


 メトラペトラの召喚に成功した為浮かれていたライは、リクウの殺気に本気でビビっていた……。


「はぁ……話が進まんの。で、其奴がマコアかぇ?」

「はい。心は乙女、だそうですよ。………。ねぇ、メトラ師匠?魂と肉体が合わないなんてあるんですか?」

「あることはある……様じゃな……。昔からこの手の者は存在するからのぅ。前世やらなんやらが関係あるとか無いとか……まあ、何かの影響を受けただけの者も居るがの?」

「で、今話した件ですが……」

「フェルミナのところに送らんでも、お主がやれば良かろう?」

「……………。はい?」


 メトラペトラの言葉に驚いたのはライだけではない。当然ながらマコア、そしてリクウまでもが目を丸くしている。


「ん?何じゃ?」

「いや、だって……お、俺ッスか?」

「何を寝惚けておるんじゃ?お主は海王の肉体を変化させたんじゃぞ?それに、話では魔獣を聖獣に転化させたというではないか。それに比べたら性別変化など児戯な筈じゃがの……?」

「えぇ~……?で、でも、世界の法則を歪める……とか無いんですか?」

「……お主が世界の法則から一番逸脱しとるじゃろうが。魔人転生は本来禁忌と言うた筈じゃが、お主は更にそこを超えておるんじゃぞ?」

「……。で、でも……」

「お主が何を躊躇っておるかは知らん。が、そもそもお主はフェルミナの主じゃぞ?」

「……………」


 大聖霊達は恐らく封印されている、と以前メトラペトラは語った。それは衰弱が癒えたであろうフェルミナも同様なのだろう。

 だが……それでも機械兵だったマリアンヌを人寄りの半精霊に変えられたのだ。ライがリルを変えられたのはフェルミナの力を扱えたから。ならば当然……。


「……じ、じゃあ私は?」

「うむ。いま直ぐ女になれる」

「うおぉぉぉぉっし!?」

「うぉう!野太い声で叫ぶでないわ!恐いじゃろうが!?」

「あらやだ、嬉しくてつい……」


 と……なると、後はライ次第。しかし、何処か不安があるご様子。


「気に入らないことがあるなら当人と良く話すことじゃの。その上で嫌ならフェルミナに託せば良かろう?」

「……わかりました」

「では、その間ワシらは御預けだった酒盛りでもするか……リクウよ?」

「……良かろう。ツマミは?」

「勿論あるぞよ?」


 『乙女の部屋』でネコとオッサンが酒盛りをする光景は中々にシュールだが、ともかくその間にライとマコアの話し合いが始まった。

 向かい合い座るライとマコア。だがライは、踏ん切りが付かない様子だ。


「…………」

「何……?何か問題があるの?」

「問題……は、俺の方にあるみたいだな。確認したいことがあるんだけど……」

「なぁに?」


 気掛かりは幾つかあった。マコアのこと、その家族のこと……そんなことまで気にしていたことに今更ながら気付いたライは、自嘲するしかない。


「まず……アンタの覚悟の話。アンタは自分が女になっても家族は納得するのか?」

「……記憶で見たでしょ?あの家は地獄だったわ。家族は確かに大切でもあるけど、私は女になれば全てを捨ててやり直す……そう決めたのよ」

「……女になっても容姿は今のままかも知れないんだぞ?それでも女になりたいのか?」

「そんなのは二の次よ。性別が男であることは私にとって違和感でしかないの。容姿に贅沢は言わないわ?そこから先は努力をするのみよ……」


 マコアの覚悟の強さ、願いの強さは理解した。だが、最後にもう一つ聞きたいことがある。


「もし……この先アンタに出逢いがあって、その人を心から愛したとする。結ばれる日が来た時、アンタは自分が『元は男』だと告げられるか?」

「…………。断言は出来ないわ。でも……それを伝えても一緒に居られる相手と出逢いたいと思うの」

「………分かった」


 席を立ちマコアの前に立ったライは、メトラペトラを呼んだ。


「メトラ師匠、力を貸して下さい」

「ん~?お主一人で出来るじゃろ?」

「だ、だって……女体化ですよ?俺、女体なんて分かりませんよ!」

「全ての人間の素体は女から出来ておるんじゃ。簡単じゃろ?」

「………はい?」

「人間は全て女。それが約四割の確率で胎内形成の際男に変化する。そして人間のモデルはフェルミナじゃ」

「………。フェルミナ、人類の母説キターッ!」


 ロウド世界の神は最初にフェルミナを創ったと告げるメトラペトラ。ライは当然ながら白眼だ。


「まあ……そんなフェルミナも、異世界の人間を模倣した容姿らしいがの。今はその辺の話は良かろう」

「……最早付いていけないので、ともかく手伝って下さいよ」

「………本当のところは何故手伝って欲しいんじゃ?」

「……女体の形成とか、なんかこう……エロいんで……?」

「つまり股間の暴れん坊が心配なんじゃな?」

「やめてぇ!本音を見抜かないでぇ!?」


 両手で顔を覆い肩を“ イヤイヤ ”と振るライの姿に、メトラペトラは明らかに呆れている。


「ま……まあ良いわ。話が進まんからの。ほれ、お盛ん勇者よ……手伝ってやるから早うせい」

「お……お願いしま~す……」


 定位置であるライの頭に乗ったメトラペトラ。ライはマコアの額に手を翳し胸の紋章を発動する。


「最後にもう少しだけ言っとくよ?」

「何かしら?」

「今後、アンタみたいな人が居ても俺は助けない。特例中の特例だからね?だから、元に戻りたいと言っても戻さない」

「わかったわ。ありがとう」

「もし、アンタが誰かに同情しても俺の話は出さないように。その時はフェルミナを頼ってくれ。シウトの何処かに居る筈だから」


 【生命の大聖霊】の力を発動するライ。メトラペトラは“ 女体化 ”の 調整を手伝い、力の集約を始めた。


 放たれた緑色の眩い光……マコアはやがて、その光の中から姿を現す。

 その姿は……全く変わっていない。


「うむ。成功じゃな」

「見た目全く変わってないんですけど……」

「飽くまで性別を変えただけじゃからの。ん?……お主、何かしたのかぇ?」

「一応、容姿の調整をサービスしたつもりだったんですけど……失敗した?」

「……いや、それなら少しづつ変化するじゃろう。全く……どこまでもお人好しな奴め」


 マコアが望む姿を……ライはそう調整をしたつもりだ。次に会った時はもう誰か分からないかも知れない。


「これで約束は果たした」

「………あ」

「あ……?」

「ありがとぉ~!?」


 飛び付くマコア。しかし、ライはヒラリと身を躱した。


「あら、冷たいわね……」

「と、取り引きなんだから感謝は要らないよ。それより……約束忘れんなよ?」

「勿論よ。でも、どうするつもり?トシューラの兵、千人も居るのよ?」

「まあ、ツテを使って少しづつスランディ島国に送るさ。でも、その前に砦でやることがある」


 マコアの罪を軽くすると約束した以上、無事トシューラ兵を逃がさねばならないのだ。

 しかし、それではイブキの面目が潰れてしまう。イブキの手で解決したと演出せねばならない。


「マコアには先ず、トシューラ兵を全員集めて貰いたい。そこで兵の記憶を消す」

「それじゃ移動が大変じゃないの?」

「少し当てがある。まあ、後で説明するよ。問題は明日だな……」


 翌日の昼にはイブキが砦に辿り着く。その際、トシューラ兵が討たれねばならないのだ。


「………また小賢しいことを企んでおるな?」

「まあ……それも必要なことですし」

「誰も彼も助けようとするから要らん手間が掛かるんじゃ」

「返す言葉も無いです……」


 メトラペトラの言うように、今回は複数の者を……それも対立する立場の者を同時に救おうとしているのだ。掛かる手間が半端ではない。

 イブキを救う為に活躍の場を、オルネリアやプラトラムを救う為に情報を、マコアを救う為にトシューラ兵の命を……そこには矛盾すら含まれている。


「ま、まあ……ともかく、明日までにこの砦のトシューラ兵を逃がさないと。メトラ師匠とリクウ師範にも手伝って欲しいんですが……」

「嫌じゃ」

「断る」

「くっ……。そ、即答かよ……」

「お主の策に付き合ってたらキリがないわ。ワシは酒を呑まねばならぬのじゃ」


 ならばとリクウを使うことにしたライは、取引を持ち掛けた。


「リクウ師範……スイレンちゃんに会いたくないですか?」

「何……?そんな方法があるのか?」

「そこで頼みたいことがあるんですが……乗ります?」

「フッ……スイレンに会う為なら仕方無い」

「じゃあ……」


 ボソボソと耳打ちしたライの提案にリクウは一瞬渋い顔をしたが、文句を言いながらも何とか承諾を得ることが出来た。


「メトラ師匠はリクウ師範と一緒に……」

「酒が呑めりゃ何処でも良いぞよ~?」

「くっ……。じ、じゃあ、リクウ師範と一緒に行動して下さい。後で迎えに行きますから」



 飯綱領の騒動終結の総仕上げ……。愛染山麓砦でのライの奔走が始まった。



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