第7話・・・着信音という色めき
彼女との約束の時間。
彼は遅れそうで神経質になっている。
腕時計はいつもしていないので持っていない。
携帯電話の時計がすでに懐かしい。
ギリギリ時間通りに待ち合わせの場所に着き、今回は彼女のお薦めのレストランで食事。
今日はバレンタインデーであった。
彼はチョコと、あるプレゼントを貰った。
ドキドキしながら箱を開けるとそこには彼女とおそろいの【携帯電話】が入っていた。
彼女が携帯電話の設定をすでにしてくれていたのであった。
こんな素敵な彼女、もう現れないかもしれない。
マナーモードの携帯電話しか友達がいなかった世界が嘘のような人生の色めきである。
夜になり、彼女と駅で別れてから彼はずっと携帯電話をマナーモードにしようかしまいか迷っていたが、せっかく彼女が設定してくれたので、そのままにした。
家に帰ってから突然、携帯電話が鳴った。
着信のメロディーはドリカムの「未来予想図Ⅱ」であった。
二人だけの世界へ飛び込むファンファーレのようである。
彼は着信音というものに胸をときめかせていた。
つづく (次回感動?の最終回)
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