第16話 名は体を
「一郎」
「どうした?」
「何て書いたの?」
「今は、秘密だ」
「もしかして、マスターくんの名前を騙った?」
「そんな、卑劣なことはしない」
まほにも、今は言わない方がいいだろう。
「ところで、まほ」
「何?」
「お前の名前は、ひらがななのか?」
「高田さんは、そう名付けたね、でも・・・」
「でも、マスターくんは、漢字で真歩にしてくれた。真実を歩くという意味で・・・」
「そっか・・・でも・・・」
「でも、何?」
「名は体を表してないなと・・・」
「どういう意味よ!」
怒りだした。
技術の進歩はすさまじいが、進歩するのも考えものだな・・・
「でも、返信はどう確認するの?」
「明日。また来るよ」
「学校はいいの?」
「テスト休みだって!」
「そっか・・・」
肝心なところは抜けている。
盛田さんには、修理に出すように言っておこう。
「で、明日まで、どうするの?」
「俺んちに泊めてやる」
「ありがとう、一郎」
「その代り、妙な事するなよ」
「それは、女の子のセリフ」
まあ、出来ないんだが・・・
家に着いた。
妹のまやは、帰っているな・・・
「ただいま」
上から声がした。
「お帰り、お兄ちゃん」
今日も、元気なようだ。
別に病弱ではないのだが、兄としては心配だ。
「お兄ちゃん、ちょっときて」
「どうした?」
俺は妹の部屋と向かった。
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