第15話  粘り強く

「まほ?」

「何?」

「盛田さんとは、連絡が取れないのか?」

「うん、彼も携帯もってないから・・・パソコンも・・・」

「そっか」

ネットカフェで個室に案内される。


「一郎、何するの?」

「調べるんだよ」

「何を?」

「近々、行われる鉄道関連のイベント」

「どうして?」

「瑠奈さんが、いるかのしれないからな」

可能性は低い。

でも、かけてみる可能性は高い。


鉄道関連のイベント・・・

いくつかあるな・・・


でも、近日中にこの近くで行われるイベントは、なさそうだ。

「だめか・・・」

「遠くにあるイベントは?」

「お金がない」

「ゴミね」

「だまれ!」

盛田さん、よく我慢しているな・・・


それとも、猫かぶってるのか?

まほは・・・


いや、それはないな・・・

取りようの違いか・・・


その時、掲示板に書き込みを見つけた。


【私が、鉄道に興味を持ったのは、お兄ちゃんの影響です。

小さい頃に、両親が離婚して、滅多に会えませんでしたが、

会う場所は、いつも鉄道関係のイベント会場でした。


以前は、比較的近くに住んでいましたので、都合がつきやすかったのですが、

母の急な転勤で、それ以降母に、会う事を禁じられました。


鉄道関係のイベントで、お兄ちゃんと会えるのを楽しみにしていますが、

さすがに、遠すぎるのか、会えません


RUNA】


「もしかしたら、この人かもしれない」

「どうしたの?一郎」

「この書き込みに返信してみるよ」

「どうするの?」

「まあ、見てろって」


俺は、その書き込みに返信をした。

気がついてくれるのを願って・・・

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