第14話 兄と妹
「一郎」
「どうした?」
「一郎の、気持ちは嬉しいよ、ありがとうね」
「らしくないな」
「私だって、女の子だよ」
まほは笑っているが、内心は悲しいんだろう・・・
「一郎、家には帰らなくていいの?」
「ああ、友達のところに泊まると連絡しておく」
「学校はいいの?」
「テスト休みだ」
「勉強は出来るの?」
「うるさい」
俺は、劣等生だよ。
「まほ」
「何?」
「盛田さんとの、連絡はどうする?」
「マスターくんのことなら、大丈夫だよ」
「どうして?」
「私が、この世でただ一人愛している人だもん。」
本当に、盛田さんの事が好きなんだな・・・
「まほ、行こうか」
「うん」
でも、その前に、盛田さんの事を訊いておこう。
「マスターくん?」
「ああ、知っている限り、教えてくれ」
「歳は、18歳だよ」
俺よりも一つ上か・・・
「誕生日は、5月20日で、O型」
血液型は、俺と同じだな。
O型は繊細なんだ。
覚えておけ。
「部屋の中は、どんな感じだ?」
「私からの視野には限界があるけど、いわゆる痛部屋ではないよ」
「そうなのか?」
「うん」
見た目通り、真面目なんだな。
「あっ」
「どうした?」
「鉄道が好きみたい」
「電車が?」
「うん、よく本を読んでるよ」
「そうか・・・」
ひとつの確信を得た。
「どうして?」
「兄と妹は、似ている部分もある」
「うん」
「だから、妹さん、瑠奈さんも鉄道が好きな可能性が高い」
「だから」
「鉄道関係のイベントに行けば、会えるかもしれない」
かなり無理はあるが、かけてみる価値はあるだろう。
「電車のイベントは、近日中にあるの?一郎」
「わかった、調べてみるよ」
「どこで?」
「ネットカフェ」
俺とまほは、ネットカフェに向かった。
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