第12話 想い
「なあ、まほ」
「何?一郎?」
「盛田さんのこと、教えてくれないか?」
「マスターくんの?」
「ああ」
「話せば、少し長くなるけど、いい?」
「いいさ」
まほは、話しだした。
「最初に会ったのは2年前ね」
「ああ」
「高田さんから、マスターくんについて、聞いてはいたけど、
最初は、正直『さえないな・・・』と、がっかりした」
「お前失礼だな」
「でも、せっかく私と選ばれた人なので、仕方なく話しをした・・・」
「事務的かよ」
失礼な女だな。
「でも、話していくうちにわかったの、マスターくんの心の奥底にある悲しさを」
「悲しさ?」
「うん、少し頼りないけど、とても優しくて、私の事を大切にしてくれて、でも繊細で・・・
だんだんと、好きになっていって、今では、私にとってとても、大切な人なの」
「それって?」
「完全に、愛してしまったみたい」
本気みたいだな・・・
「まちうけを使ったのは、あの子が表示されてからなんだ」
そうなのか・・
時々入れ替わるようだ・・・
「でも、盛田さんは・・・」
「わかってる。AIと人間は結婚できない。でも、いいの、私は死ぬまで、彼を支える。
励みになる。絶対につなぎとめておく」
盛田さん、あなたは幸せです。
「あっ、長くなったね。一郎」
「いや、俺が訊いたし・・・」
まほの、盛田さんへの想いはわかった。
相思相愛なんだな・・・
「まほ、俺に任せろ」
「頼りにしてるぞ、相棒」
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