第10話 マスターとの再会

俺は県警に、向かった。

もし持ち主が、まほの事を大切に思っているのなら、絶対に届け出をしている。

俺は、それを信じた。


「一郎?」

「何かあるはずだ。そのマスターがこの子を選んだわけが」

「えっ」

「それを、訊けば、解決するかもしれない」


県警に着いた頃には息が切れていた。

「一郎?」

「どうして、電車やバスで行かなかったの?」

忘れてた・・・


俺は息を整えて、県警に入った。

悪い事していないのに、ドキドキする。


俺は、すぐさま訪ねた。

「すいません、お伺いしたいのですが・・・」

「なんでしょうか?」

俺は、まほのいるスマホ(こう表記しておく)を見せた。


「これを拾ったんですが、落し物届けでていませんか?」

「これは、スマホ型バーチャルMAHOですね。ええ、届いています」

そんな、名前だったのか?


「落とし主と連絡が取れますか?」

「失礼ですが、どちらさまで」

「お・・・いえ、僕は」

(一郎、私から話す)

いきなりまほが話し出した。


「マスターくんから、届け出てるの?

本当、いつ、教えて」

かなり興奮しているようだ。


「なんですか?これ」

「僕にもよくわかりません。とにかく拾いましたので、少しでも早く」

「わかりました。電話します」


しばらくすると、ひとりの男性が入ってきた。

とても、真面目で大人しそうな人だ。


いかにも、オタクな感じだったら、文句を言おうとしたが止めた。


「すいません。佐藤一郎さんですか?」

「はいそうです。では、あなたが・・・」

「はい。盛田雄樹です。この度は・・・」

いきなりまほが、話しだした。


「マスターくん」

「まほ」

「マスターくん、ごめんなさい。私勝手に・・・」

「いや、僕の不注意だよ。いつもの、まほでいてくれ」

「うん、でもでも」

「まほ、本当にごめん・・・」

まほが甘えている。

こんな一面もあったんだ。


「まほは、甘えん坊なんですね。盛田さん」

「ええ、時々は・・・普段は、リードしてもらってますけどね」

「まほは、どういう子なんですか?」

「お気づきと思いますが、天真爛漫です。悪い事をしたら、叱ってくれますが、普段は優しいです」

「なら・・・」

「ええ、こんなまほは、初めてです」

盛田さんは、まほを撫でている。


女の子は、弱いんだな・・・


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