第9話 コンビ復活

「もう一度、行ってみよう、まほ」

「一郎、どこへ?」

「さっきの会社だよ。高田さんに訊いてみる」

俺は、まほをポケットに入れて、先程のビルへ向かった。


受付の方に話し、高田さんを呼んでもらった。


「お待たせしました。今度は、どうなされましたか?」

「たびたび、申し訳ありません。この子たちについて、お伺いしたくて・・・」

俺は、ダミーの待ち受け画面に使われる、女の子たちを見せた。


「この子たちは、素人派遣会社の方たちなんです」

「素人派遣会社ですか?」

「はい、そうです」

聞いたことがあるな。テレビ番組なので、公募した時、

応募者が少ない場合、そこから番組に派遣されると・・・


「この子たちについて、教えていただくわけには、いかないのでしょうね」

「はい。でも、かなり前なので、もう全員やめている可能性が高いかと・・・」

「ありがとうございました。お忙しい中、申し訳ありません」

俺は、高田さんに頭を下げて、外へ出た。


これ以上は、迷惑なので止めておこう。


「一郎?」

「まほ、探そう、この子を」

「えっ?」

「お前のマスターなら、何か深い事情があると思う。

探してみようよ」

「うん、よろしく。一郎」

忙しくなりそうだな。


「マスターには、報告しなくていいのか?」

「うん。驚かせてやるんだから。」

まほは、やる気まんまんだった。


もっとも、俺が動くのだが・・・


「まずは、警察を当たってみよう」

「えっ」

「お前を落した、被害届が出ているかもしれない」

「それは、後で・・・」

「いや、マスターの気持ち知りたいだろ?」

「うん。ありがとう。一郎。がんばろうね」


サポート頼むよ、まほさん。

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