第5話 第一ポイント

「まほ、詳しい場所は?」

「まず最寄駅に行って」

「最寄駅?」

「この近くにあるでしょ?私鉄の駅」

俺は、まほの指定された駅についた・・・・・


・・・って、俺は今、歩きスマホという、危険な事をしてないか?


「じゃあ、一郎、私をポケットの中に入れて」

「えっ?」

「そうすれば歩きスマホにならないでしょ?私の声も聞こえるし」

「よけいに、危なくみられるわ」

既に、白い目が突き刺さっているが・・・


「まほ、ついたよ。駅に」

「ここは、北口だね。南口にまわって」

「歩いてか?」

「入場券買ったら」

こいつは、高校生の財政力の、逆の意味での凄さを知らないようだ・・・


なので、1円でも安くすませたい。

でも、歩くのは面倒くさい。


再び、天使と悪魔が、頭の中で闘いを初めた。

俺は、今度は任せる事にした。


天使「お金は大事です。ここは、辛くても歩くて回るべきです」

悪魔「何言ってるんだ?天使さんよ。歩いて倒れたれ元も子もないだろ」

天使「いいえ、体力はつけるべきです」

悪魔「お金なんて、くすねればいいんだよ」


いや、悪魔よ、

それは、犯罪だ。


俺は天使の言う通りに歩くことにした。


天使&悪魔「またな」

なるべくなら会いたくないな。


そして、遠回りになったが、南口に出た。


「まほ、南口に出たよ」

「お疲れ様。ご褒美にキスしてあげる」

「遠慮しておく。AIのキスはいらん」

「もったいないオバケが出るよ、一郎」

それは、食べ物の話だって・・・


「で、まほ、どうするんだ?」

「近くに青いビルがあるでしょ?」

「ああ、横断報道を渡ったところにな」

「そのビルの、5階だから、がんばれ」


こうしてようやく、第一ポイントについた。





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