第4話 女の武器

「で、2次元まほさん、どうすればいんですか?」

「私は、2次元ではないわ。ほら、画面の中だけど動くでしょ?」

「アニメも動くだろ?」

「私は、2次元ではなく、AIよ」

「似たようなものだろう?」

「全然違う。一郎はこの国で、何を学んでたの?」

生きていくうえで、必要ないだろう。


「それと」

「なんだ?」

「さっき、私の事まやと、呼び違えたでしょ」

「記憶にございません」

「じゃあ、聴かせてあげる」

録音してたのか?


   【まやは、有名なのか?】


「確かに、言ってたようだ」

「謝りなさい」

「お前も、気付かなかったろう」

「今、思い出した」

こいつ、もし人間だったら、嫁の貰い手ないな・・・


「で。まほさん、あなたのいうそこらへんに、来ましたが・・・」

「うん、来たね」

「『来たね』じゃなでしょ?まほさんしか、わからないのですから」

「うん、私をうやまう言葉づかい、いいこころがけです」

「話をそらすな」

「えへへ」

たく・・・


「で、まやって誰?彼女」

「違う、妹だ」

「そうね。一郎、もてそうにないものね」

文句を言おうとして止めた。

こいつなら、大声で泣き出しかねない。


「まほ、手掛かりは何もないのか?」

「あるよ」

「なんだ?」

「私を、作ってくれた会社が、このへんにあるから」

「・・・」

「・・・」

「それを、早く言え」

「だって、自力じゃ動けないもん・・・」

画面の中で泣いている。


世の男性は、この涙に騙されるんだな。

俺は気をつけないと・・・


≪気をつけよう 女性の涙と その笑顔≫



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