第2話 コンビ誕生

公園のベンチに腰をかけた。

息があがっている。


「もう疲れたの?体力ないわね」

「あのな、誰・・・の・・せい・・で・・・く・・・はあはあ」

「情けないわね。それでも男」

「機械が言うな」

こいつの相手は、疲れる。


しばらく休んだら、疲れが収まった。

「さすがに、若いわね」

「まあな・・・って、ところでお前、何であんなところにいた?」

「あなたに会うために待ってたの・・・」

「かまととぶるな。見え透いたウソ付くな」

「やはり、わかった?」

「誰でもわかるわい」

絶対持ち主見つけて文句言ってやる。


「で、本当の理由は何なんだ?」

「だから、あなたに会うために・・・」

「このまま、たたき壊そうか?」

「あっ、ごめんなさい。それだけは、許して」

「じゃあ、話すな?本当の事」

「うん、わかった」

素直だな、やけに・・・


「実はね。」

「ああ」

「あなたに、ある人を探してほしいの」

「なんだ?持ち主か?それなら・・・」

「ううん、違うわ」

「じゃあ、誰だ?」

「私の、待ち受け見たでしょ?」

「ああ、可愛い女の子が映ってるな」

俺は、画面を確かめた。


「その子を、探して欲しいの」

「持ち主じゃないのか?」

「ううん、違う・・・でも・・・」

「でも?」

「今は言えないけど、見つけてくれたら全て話すから」

やけに、センチメンタルになったな。


機械といえども、女には顔がたくさんあるのか?


「いいかげん。機械機械って言わないでよ」

「じゃあ、何て呼べばいいんだよ」

「私は、まほよ」

「スマホからか・・・まんまだな」

「ほっといて、で、あなたの名前は?」

「俺か・・・俺は佐藤一郎だ」

「ありがちね」

「全国の、佐藤一郎さんに謝れ」

「ごめん、ごめん、素敵な名前よ。一郎」

何だか、疲れが増した。


「で、どうなの?手つだってくれる?くれない?」

「もし嫌だと言ったら?」

「大声で叫ぶ」

「なんて?」

「この人痴漢です」

それは、勘弁してほしい。


別の意味でやばいって・・・


「わかったよ。手伝う」

「本当?ありがとう一郎、お嫁さんになってあげる」

反論する気力もない。


こうして、こいつとふたりで、待ち受けの女の子を探すことになった。


「こいつじゃないの、まほ」

「わかったよ、まほ、よろしくな」

「こちらこそ、一郎」


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