弁解 (xxix)
返事はほどなくして届いた。
『なんか、すまん 悪気はない』
力を見ると、申しわけなさげな顔をしていた。誤解されていないようだ、と環は少し頬がゆるんだ。
『三郎丸さんはD組のなかで一番まとめ役にふさわしい 続けるべき 必要があれば手段は選ばなくていい』『ただやっぱり現状の三郎丸さんだけ有利な特別扱いはやめた方がいい 気づいてないヤツにバレたら面倒なことになる』『そういう意味でも違うやり方を考えないといけない』
力は環を認め、推してくれ、前向きに意見を出してくれる。彼の話を聞いていると、自分はやはり、クラスのリーダーを務める能力が備わっているのでは、と思えてくる。
ただの思い込みなのかもしれない。でも、なにかをなすには、ときに思いあがりも必要だ。生き死にのかかった状況でなりふりかまってはいられない。
42人のなかで最もリーダーに妥当な人選が私だというなら務めよう。もう私は、
『解った。私に出来る限りの事はやってみる。でも今のやり方が駄目ならどうしたらいい?うまかど君は何かアイデアがある?』
『クラス全員で考えるんだ 多分全く違う攻略法がある パラダイムシフトを起こすには色んな角度のアイデアを出し合う必要がある』
『うまかど君って意外と難しい言葉知ってるんだね』
『意外とって心外だな』
『あっゴメン(汗)ついうっかり・・・汗汗汗汗汗 他意はないから(>人<)』
『まあいーけど… 三郎丸さん真面目な感じだしちょい硬い表現の方がいいかなって つーか顔文字やスタンプ使ったりすんだ そっちの方が意外』
『仲のいい友達や家族には普通に使うよ(苦笑)こう見えて私だって一応JKだし・・・(*´ω`*)』
『JKて 似合わねー 引くわー』
『Σ( ̄ロ ̄lll)』
互いに、にやりと無言で言葉を交わす。
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