弁解 (xxiii)
環は、瀬織について考えれば考えるほど、かわいそうで悲しい気持ちになり、また一方で、人間らしい心の欠落したふるまいに、なにかそら恐ろしいものが心のすみに忍び寄る。
友達がいなかろうが、異常な「ゲーム」に巻き込まれようが、クラスメイトが
喜びも悲しみも知らない、恐怖も怒りも感じない、ロボットのような思考回路。あるいは、ターミネーターみたいに、内部が機械じかけになっているのかもしれない。
『プリムズゲーム』が起こりうるぐらいだ。瀬織が
私は、違う。
彼女のような、血の温度が常温かそれ以下、色はヘモグロビン以外の物質で決定づけられているような人種とは違う。
たしかに、自分かわいさで、クラスメイトには押しつけた危険性を自分は引き受けまいと画策した。その浅ましさは認める。
でも、そのことをなんとも思わず平然としているわけではない。後ろめたい気持ちは持ちあわせている。
私には、彼女にはない心がちゃんとある。だから――
『冷血人間みたいに言わないで欲しい・・・』
懇願するように環は送信ボタンを押す。
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