ルール (xli)
「みんなに賛成してもらえたみたいだから、ほかの考えも出させてもらうんだけど、チームわけをしたらどうかなって」
「チームわけ?」
「この『プリムズゲーム』――ゲームという呼びかたはあまりしたくないんだけど――これは、数学の成績が左右する仕組みになっている」
なんの役にもたたない数学を強制するとか、枡田らしいやりくちだぜ、と
「問題を解くには数学の知識や能力が必要だし、ランキングやステータス画面に表示されているとおり、順位の高い人ほどモンスターと戦う可能性も低い」
「ほんと、露骨なシステムだよな。数学ができるのがそんなに偉いのかよ」
「逆、逆。大して認められないから優遇してんだよ」
玲爾といつもつるんでいる
「てことは、ランキング上位者は問題を解くほうに専念するってこと?」
ふたりとは対照的に落ち着き払った
「ステージの間は、問題を解く人、プレイヤーがモンスターと戦うのをバックアップする人、それ以外は、技や魔法の出しかたやルールについて把握したり研究したりする人、といった具合にわけるの」
それぞれ役割分担するわけか、と
「次のステージまであまり時間がないから、とり急ぎ、誰がプレイヤーになっても連絡がとれるようにしておきたい。私の電話番号をみんなに教えるから、ひとまずこれを使って」
言いながら、環は自身の番号を黒板に書きつけた。クラスじゅうが各自の端末に登録する。続けてメールアドレスも書いていく。個人情報を黒板上に示すのは、少なくない心理的抵抗感をともなうのだと彼女は実感した。
メアドについてだけどさ、と征従が言った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます