プロローグ (xi)
「いかがでしょう、たとえばこの『ホッジ予想』辺りなどは。これは、部分多様体の代数トポロジー、非特異な射影的代数多様体、代数的ド・ラームコホモロジー類が――」
「いやあー、僕ちょっと、日本語しか読めないんで……」
「ふふふ、一応、日本語で書いてありますよ?」
「いやいやいや、相方のネタ帳のほうがまだ日本語してますから」
「俺、そんな意味不明なこと書いてるか!?」
「ははは」
「この番組もオニですねー。ミレニアム問題とか、僕ら凡人じゃ手も足もでませんって」
「またまたご謙遜を」
「いや、このレベルになると一般人と大差ないです」
「そうそう。ペレルマンにしても、枡田教授にしても、さっきでてきたフェルマーのワイルズにしても、未解決問題を解いた数学者って、子供のころから別格の天才ぶりを見せる化け物」
「うん、マジモンの天才は小さいときに才能を開花させてる」
「嫁の親戚の子がそれ。めちゃくちゃ数学ができる子で、冒頭のフィボナッチ数列、あれに2歳で気づいたりしてて、もう次元が全然別。僕らなんか小学生のときでも普通に1+1=田んぼの田ですもん」「1-1=日とかな」「やったやった」
「ふふふ、懐かしいですね。ああっと、ここで時間ぎれです。芸能界の数学力を結集しても、ミレニアム懸賞問題の壁は崩せませんでした……残念! さて、お知らせのあとは、足し算のできる天才犬がスタジオに――」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます