曹関っぽいポエムSS
許昌への道のりは長い。華容道を越えてもなお黄河は遥かに遠い。馬の足取りも重い。僅かに残った軍勢に、沈黙が充満している。ビュウと身に吹き付ける烈風が、嫌という程数刻前の炎を思い起こさせる。目の奥でまだ燃えている、十万が灰塵へと帰したあの紅蓮を。
関羽よ。此度の件で、私への負い目は晴れてしまうだろう。それどころか、次は愈々存分にその腕を振るうに違いない。君のことなら分かる。今度こそ、相容れぬ敵となってしまったのだと。
しかし、彼は今度こそ、私を宿敵とした。その心は主君のもとにあれど、その目は魏を、私を貫くだろう。哀れな男だ。そして、その哀れな男と武でもってしか対峙できない私は、なんと滑稽な男だろうか。
東風は、やがて西風に変わるだろう。今は前に。前に進むしかないのだ。
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