第2話 警視庁捜査一課 鬼山警部

 一方、警視庁捜査一課殺人事件担当の鬼山おにやま警部は、殺人事件発生の連絡を受け、早々に現場に臨場した。

 現場は、鑑識班によって、周囲にロープが張られ徹底した鑑識活動が行われていた。

 付近には、事件を嗅ぎつけたマスコミ関係者が、徐々に集まり出した。

 鬼山警部は、死体を見るなり、

   「犯人は、相当な怪力の持ち主だぞ」

と、言った。

 佐藤刑事

   「はい、私もそう思います」

 鬼山

   「何故、そう思うのだ?」

 佐藤

   「それは、あの・・ そういう感じがしたからです」

 佐藤刑事は、ドッキとして青ざめた。

   「バカ野郎! お前、もう1回、警察学校から出直して来い!」

と、鬼山警部は怒鳴った。

 鬼山は、現場を見た瞬間、犯人が、被害者を引きずった跡もなく、被害者の抵抗した様子がほとんど見られなかったことから、そう判断した。

 彼は、根っからの刑事で刑事経歴は、すでに30年のベテランである。

 年齢は、52歳。

 一度狙った星は、どんなことをしてもあきらめなかった。 

 手柄を他の者に奪われるのが、何より嫌いだった。

 刑事仲間からも通称、「赤鬼あかおに」と呼ばれ、

   「赤鬼と組むのだけは、勘弁してくれ」

と、言われるほど恐れられていたのである。

 何故なら、一緒に組んだ刑事は、ほとんど出勤拒否になるか、心身共に参ってしまうからだった。

 赤鬼は、身長180cmと大きく、柔道は5段の上級者であった。 

  

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る