第5話

彼と出会って毎日が変わった


朝、目覚めると今日はどんな日になるだろうって思えるようになった

今まで、何1つ変わらない毎日だったから…。


王子さまになろうか?なんて、映画みたいなキザな台詞

でも、嬉しかった。

すごく...。


いつもの待ち合わせ場所


彼と初めて会った場所へ向かうと

道路脇に停まってる車の中で

ハンドルに手をかけた彼が見えた。

早く近くてに行きたくて、小走りになった


「おはよう、ハァ、はっ」


「おはよ。走って…来たの?」


「…っうん」


「早く俺に会いたかった?」


「そ、そんなこと」


「ククク、何その顔。早く乗りな」


助手席に座ると彼の甘い香りが鼻を掠めた。

こんな風に男の人と出かけるのは初めてでどうしていいかわからなかった


「どっか行きたいとこある?」

「うううん、特に」

「夏も終わりだし、海でも行く?ドライブの定番な感じだけど」


「うん」

「どした?元気ないじゃん」


「別に…」

「そっ?」


前を向きなおした彼の身体が

急に目の前を遮った


え!もう、だめ、もたない


カチャ、


「シートベルト!」


「あっ」


固まる私の顔を彼はニヤニヤしながら見つめるといたずらっぽく言った


「ひょっとして、変なこと考えてなかった?」


「考えてないわよっ」



真っ赤になる彼女が可愛くて

余裕あるふりしてたけど、そんな顔見たら変なこと考えるの当たり前だろ


助手席にちょこんと座っていつものように膝の上に行儀よく置かれてる手。

俺はハンドルを握る左手を離してその手を軽く握り、ポンポンとすると、俯いてた顔を上げた彼女


「行こっか」


「うんっ」


笑顔が…輝いた






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