第3話

近くのカフェに入った

彼女はパスタ俺はハンバーグを注文し、

熱々のハンバーグを口に運びながら、

俺もとりあえず名前と年齢だけを告げ、

また、話し始めた


「優奈ちゃんは学生?」


「さぁねぇ、

さっき約束しなかった?」


「あ、そうか」


「質問すること以外、話題ないの?

業界の人でしょ?ナンパ慣れてるんじゃないの?」


見た目とぜんっぜん、違うじゃん

結構、毒舌


「はぁ?

だいたい、どうして業界って?」


「わかるわよ。こんな平日の昼間っから、ボッサボサの髪の毛で疲れた顔、

それにこの辺りはそういう会社多いでしょ」


「まぁな」


「相澤さんだっけ?

有名なの?」


俺のこと知らないんだ良かった



「全然」


「何やってるの?」


「自分は何も話さないくせに俺には聞くんだな」


「じゃあ、いいわよ」


やべぇ、落ち着け俺


「ごめん、ごめん

音楽やってる」


「そうなんだ」



何も教えてくれない彼女に苛立ちを覚えながらも、何故かどうしても知りたくなってた


「話題変えよ

優奈ちゃんはどんな音楽聴くの?」


「音楽ねぇ、特に拘りはない。

耳にしていいなぁーって思ったものを聴くかな」


「そっか」


「相澤さんは?」


「俺?俺は…


耳…よりも

心に響く音…かな」


「心に響く?そんなのあるの?」


「あるよ。今度聴かせてやるよ」


「…うん」



柄にもなくいつもより、うんとお喋りな俺はやっぱり綺麗な少し茶色がかった瞳を直視出来ず、

ストローを摘んだ細い指をチラチラと見てた


『今度聴かせてやるよ』って

ちゃっかり次の約束を取り付けたことに

心の中でガッツポーズしながら...




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