第3話
受付で名前を書くと、エレベーターに乗り、妹は八階のボタンを押した。
いつも面会に来ている母や妹は、この十階建ての大きな病院に精通していた。
僕はエレベーターが階数を登る毎に大きくなる獣の雄叫びに苛々していた。
八階につくと獣の雄叫びは突然大きくなった。
この階に獣がいるようだ。
僕は母と妹に導かれるまま、父の病室に足を進めた。
病室の扉を開けると、そこに獣はいた。
雄叫びをあげていたのは父だった。
物凄い音聲だった。恐らく悲鳴だったのだろう。しかし、悲鳴というよりジェット機の轟音といった方が良かった。
同室の病人達はよく耐えられるものだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます