アライザ・スイセイ
自分でこうして、自己紹介するのもおかしな話だが、私はアライザ・スイセイ。
知っている方は知っているかもしれないが、アライザ図書館の書物庫の管理人だ。
私には、これからこの先を読む方の為にいくつかの空白を説明する義務がある。
これから先は正しく、10数年後。
マルーリからの指導もあり、グリマラはよい方向に向かっている。
もちろん、それを良くは思っていない奴もいる。我が親愛なる隣人ツキヨがその一人だ。
マルーリは、今に至るまで休みなしにこの国に尽くした。フヨウが設計したという建物も完成させることができた。この完成は全ての地域にすぐ伝えられることもできた。 それが、マルーリの数十年の結果だ。
マルーリが手を出せなかったことももちろんある。
異形の森にあるホテル・ミラー。あれが火事で倒壊した。
まず、シルヴィアとその時泊まっていた人物が口論になり火災が発生した。そもそもホテル・ミラーは火事ぐらいで全てを失うような造りではない。倒壊してしまったのもまた運が悪かった。丁度、継ぎはぎの火嫌いの異形がいた。継ぎはぎは体が大きく、力も強い。それが火に驚き何が何だか分からず、ホテル・ミラーの壁を破壊していった。
ホテルのオーナーだったドゥブラは今も多くの人を従えて、ホテルの再建をしている。ドゥブラの子達は森に自分たちが住めるよう家を作ってそこに移った。
フヨウは本格的に行方不明になった。
国中に、似顔絵を描いたポスターを張っても見たが、フヨウは変身の名人。見つかるわけはなかった。その結果、フヨウに目をオーブにされていたサトムはいまだ、目を開けることができずにいる。
さて、次の章はココ王の後継者を中心に私が編集した話になります。
この後継者、マルーリさんに申し上げたいことはいくつもあるのですが、どうせこれからわかることなので、私は何も聞きやしませんでした。
新たなる王の話は、森に新しく建てられた建物で始まる。
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