タイプ別の弱点

 フヨウの放つ光で起きた。


「充電ギリギリだったみたいだぞー!」


「充電?」

「お前は光とか熱のエネルギーを自分の体に溜め込むタイプ。燃料タイプ!それが切れちまったんだな。」


 体に痛みはなく、疲労が貯まっている感じもしない。


 フヨウの声を聞きつけたのか、王が急いで部屋に駆け込んできた。これまでの格調高い服ではなく、掃除仕事をするような格好だ。


「はぁ、昨晩は本当に驚いた。まあ、二度も担がせてしまった私にも非がある。ガロウには今日はいけないかもしれないと伝えておいてあるよ」


「ココ王さ、彼とやたら二人になりたがってるけどやめるんだぞ。昨日みたいに夜に二人だけになったらコロがどうなることやら。次はないからな!」

「ハハ…ああ、肝に命じておくよ…」


 暗い顔をして部屋を出ていき、フヨウが残った。


「フヨウさんは、どういうタイプなんですか。食事は必要ないんでしょう」


「俺ー?うーん…複雑怪奇、体の物質の運動で動くためのエネルギーを作ってる。だからなのか、あまり物覚えがよくないみたいで、他に迷惑かけるんだよね。ツキヨも一緒。」


 常に生成と消滅を繰り返して、一番一般的な生き物と近い人なのか。


「王には、早いとこ跡継ぎをつくって頂きたい。だが、あんまり出会いがないみたいでな」

「どういう人と」


「異形タイプっていって、儀式をすると子どもを作れるらしい。あ、異形タイプにも食べたり、充電したり、光ったりするのがいるから」

「はあ」

「今日は寝ていた方がいいよ。光に当たって充分に充電してて」

「はい…」

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