種族性
螺旋階段を降り、暗い廊下を歩く。ヤマメは宙を浮いている。
「ツキヨにも会ったんでしょ、なにか説明された?」
少し間をとり
「私が、初めてグリマラに降りてきたエイリアンだそうで。あとは、煌めく粉をつけなければ食べられると」
「そうだね。間違いないよ。あいつ大事なことを教えてないな」
進行方向を塞ぐように旋回してきたヤマメはこう続けた。
「何故僕が、浮いているか不思議でしょ」
デモクラ王が光ったことも不思議だが。
「そういう力があるんだ。ギフトって呼ばれてる。エバーワールダーは生まれつき皆それぞれ違うものを持っているんだ。」
目の前で人が浮いているからには、この言葉は信じなければいけないものだ。
彼らが、自分達の秘密をこう易々と話すのには訳があるのではないか。
「負けるつもりがこれっぽっちだってないからね。あんたは、ココ王が保護するって決めた人だから特別扱いはしてるけど。はやく此処での生活に、慣れて欲しいんだよ」
ヤマメは、私が船をこぎ始めてから帰った。明日は町にすんでる人を紹介するといって。
静寂の中、大樹の中を流れる水の音がした。
私たちの祖先は、混ざりあった水のなかから発生した小さな生き物だった。それが進化の過程で防御の為の甲を手入れ、大きくなった脳を支えるため、からだが大きくなった。そして、身軽になるために甲を捨てた。だが、ファッションとして残り、今でも全員が着けている。
それが、私たちトータリアンだ。
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