仲間たちの行方

 私は、使者にたいして質問を続けた。



「貴方、私たちが星に降り立つことは予想していなかったと言っていましたよね。あれはどういうことなんですか」


「これまでも様々なエイリアンが来た。だがどれも、降りてくるときに全滅してたんだよ。」


「貴方たちの王も、それを視野に入れて?」



治療をしていた手を止めて、私の目を見る。

「もちろん。今回は堅苦しい言葉遣いのエイリアン 。他にもあんたたちみたいなのはいたよ。こうして無事湿原に降りてこられたのは奇跡か、それとも船が良かったのか」

硬い笑いをする。


「ぼく、ツキヨ·アライザ。あんたがこの星に来たことを祝福するよ。」



「頃丸里です。光栄です。」


握手を交わした手から体を起き上がらされた。もう額の痛みはない。先程の手鏡を覗いても傷はなかった。

 


 ツキヨは扉に寄りかかって立っている。


「後もう少し明るくなればみんな起きてくるから。」


「わたしの仲間たちは?」


「…」



冷ややか、ではなく、無邪気なメッセージをツキヨは顔で作った。


 この顔の意味。

 それは私たちが降り立った場所に答えはあるのか。

 ツキヨは、泥に足が取られることがなく私を担ぎこの城まで連れてきた。


 もし足を取られた場合、どうなるのか。消極的な答えが私には出てきた。


 先程の缶をとりだして

「この星じゃ、この粉が体に含まれていない生命は、ただの動く燃料とか食物なんだよ。ぼくは食べなきゃいけないタイプじゃないから襲わなかっただけ。特に君たちの体は大きいみたいだから、すぐに狙われるよ」



 予想していたことより残酷な結果だ。

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