おひとがら
勝利だギューちゃん
第1話
大晦日
おこたにはいって、テレビを流している。
観ているのではなく流している。
無音というものが、耐えられない。
でも、騒がしいのはもっと耐えられない。
ボーっとしている。
テレビでは、芸能人が騒いでいる。
昔は民放各局でも、ゆく年くる年が放送されていて、
どの局も、全く同じ内容だったらしい。
つまり、NHK以外の局は、大晦日から元旦にかけて、
同じ番組を放送していたことになる。
と、父さんが言ってた。
俺は若いので知らん。
友達は神社に、2年まいりに出かけているが、人ごみは嫌いなので断った。
彼女はいない。
両親はお出かけ。
妹もお出かけ。
つまり、1人。
年越しそば(インスタント)も、食べた。
除夜の鐘が鳴った。
年が明けたな・・・
「ハッピーニューイヤー」てな・・・
さてと、そろそろ寝るか・・・
でも、部屋まで戻るのはめんどい。
「いいや、ここで寝よう」
お休み俺・・・また、明日・・・
いや、年を越したから、もう今日か・・・
まっ、細かい事はいいや。
「ハッピーバースデー、光太(こうた)くん」
なんだ?なんだ?
突然の大声に起こされる。
周りを見渡す。
見知った顔がたくさんいた。
両親、妹、クラスメイト、担任の先生まで・・・
「なんだ?なんだ?夢か?」
「光太(こうた)くん、17歳のお誕生日おめでとう」
一斉に、クラッカーが鳴らされる。
そっか、元日は俺の誕生日だった。
すっかり、忘れてた。
でも、これだけの人が集まるなんて、ありえない。
きっと夢だ・・・うん・・・
みんなが訊いてくる。
「何か欲しい物はないか?」
どうせ、夢だわがままいおう。
「クラスの女子からのキスが欲しい」
女子全員がしてくれた。ほほにだけど・・・
さすが夢だ気前がいい。
そのあとは、宴会をした。
いい夢だ・・・
でも、これは初夢じゃないんだな・・・
残念。
目が覚めた。
どうやら本当に、こたつで寝ていたようだ。
いい夢だったな・・・
周りを見た。
両親、妹、クラスメイト、担任の先生が、周りで寝息を立てていた。
気持ち良さそうだ。
「なんだ、夢じゃなかったのか・・・ハハハ」
まてよ、ということは・・・まさか・・・
おひとがら 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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