第3話 遅刻 1
「おい、
額に血管を浮き出して口を引きつらせているのは生徒指導の先生だ。
先生は椅子にふんぞり返り当然のごとく学校に遅刻した俺にその理由を尋ねている。
「はい。まず、僕が遅刻する事になった原因は細かい事の積み重ねだということをご理解下さい」
「ほう、塵も積もって遅刻したんだな?」
ブチギレそうなのを目を閉じて抑え足先をピクピクさせて、先生は苛立たしさを見せつけながら話を進めるよう言った。
「まず、目覚ましが悪いで——」
「目覚ましで起きれないお前が悪いんだよ!何回言ったらわかるんだ⁉︎いい加減にしてくれ!俺もお前に怒りたくて怒ってるんじゃないんだよ!」
「なら、怒ったフリだけして僕を通してくれればいいのではないのでしょうか?乗りますよ、僕は」
「んーー‼︎そうなんだけどそうなんじゃないんだよ!まず、先生にもこうゆうダメな生徒を直していきたいみたいな想いがあったよ!それを腐らせたのは誰だ?」
「時間ですか?」
何を聞かされるだと思えば。先生の若い頃に抱いていた想いとかの話誰得だよ。マジで。
「違うよ!お前らみたいにそろそろ変わってくれても良いのに一向に改善の見られない奴のせいなんだよ!」
「そうなんですね」
「そうなんだよ。聞いてくれよ。お前らのせいで俺は毎日のように他の先生から仕事中に小声で何やってるんですか?とか言われらようになったんだよ!会議でも何故か俺が注意されるしその度に謝ってんだよ!ねぇ、なんで俺謝ってんの?先生悪い?」
なんかかわいそうだな。先生。その職に就いた先生が悪いんだけど、すこし同情してしまった。
「先生は悪くないと俺は思います。むしろ立派だと、そう思いますよ。それでも今こうやって俺を叱ってくれてるのはやっぱ昔の気持ちを忘れきれて無いからだと思います。なので、これからも頑張って下さい」
いい感じに話題が変わってるし、この前職員室出よう。
しかし、それは油断だった。
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