第2話 登校


 ——今目の前で乗るつもりだった電車が出発した。


「あーあ」


 残念そうも嬉しそうもどっちとも言えないため息を漏らす。



 電車に乗れなかったのは俺が悪いんじゃない。


 まず、ちゃんとご飯を食べろと言った母が悪い。俺は言いつけをちゃんと守って一枚のパンを10分かけて食べるほどしっかり噛んで食べたのだ。


 次に駅までが歩きなのが悪い。自転車を使いたいのに母が自転車止めるのにお金がいるからと言って自腹を強要するからだ。



 もう一つ原因があるとすれば、向かい風だったということだ。



 そして、もう一つ原因があるとすれば、改札を走って抜けて電車の目の前まで走ってきたのに発車していった電車だ。これは車掌の優しさが足りなかったのが悪い。


 これらから言えることは、俺は全く悪くないという事。以上だ。


 守は10分後の電車に乗って学校へ向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る